■ DEQXを導入され、ご了解頂いた方々のシステムと試聴リポートを掲載させて頂きました.
■ また、デモなどでDEQXの音を聴いて頂いた方々の感想をそのまま掲載させて頂きました.



最新情報2013年7月26日:世田谷のTM氏・HDP-4+System Tune

(2013年7月31日掲載)

■ オイロダインの実力を存分に発揮させるため、徹底したチューニングを実施!
■ 果たしてその効果は?

 

          < 2013年7月26日 チューニングを完了した今回のシステム >


  
      < 2011年12月のシステム >         < 2012年10月のシステム >  

■ 2011年の暮れにDEQX(HDP-3)を初めて導入。
■ 事前のデモで高域を拡張する必要性を感じてPT-R5の導入を提案。

■ それから1年後の秋、DEQXをHDP-4にアップグレード。
■ SPシステムの設置方法を改善、ツィーターとアンプを変更。

■ そして今回、
1) 壁バッフル中央の扉を閉鎖し、バッフルとしての強度を大幅にアップする
2) オイロダインとバッフルの隙間を完全になくし、本来のバッフルとして動作させる
3) ツィーターを独立したバッフルに搭載したSEASのソフトドームに変更
4) 日東紡エンジニアリングの柱状拡散体(ANKH)を導入して室内音響特性を改善する
5) 中高域用の真空管アンプ4台をニューアルして初期性能を取り戻す
6) ウーファー用にはB&O社の最新クラスD/ICEモジュールアンプを投入
7) 機器配置の見直しと配線コードの最短化を実施
8) トランス内蔵のハイエンドHDP-4による徹底した音響チューニングを実施
など、システムの実力を100%発揮させるための徹底的なチューンナップを行いました。

■ 果たしてその結果は・・・・・
■ 5日後頂いた感想文をご覧下さい。

   
以下、TM氏からのレポートです。
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驚きました。感激しました、本当に。

クリズラボにお願いして再生装置の改良作業を行ったのは、細かい変更は別にしても数回に及びますが、その度に驚くほどの変化と大きな前進をしてきました。

しかし、今回はこれまでの全ての成果を大幅に上回り、「激変」といっても良いものでした。
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昨年の秋以降に行った主な改善点は、

室内の音響特性を改善するため、日東紡のANKH(アンク)を試聴の上、導入。

 

中域と高域をうけもつ極めて古い真空管アンプの総合的なリニューアル(コンデンサー等の部品交換と特性の改善等)

 

低域用にはApril Music(エイプリルミュージュク)の最新型クラスD動作のデジタルパワーアンプ「S1」を導入。(この「S1」は以前から気になっていた製品で、たまたまクリズラボで扱うようになったとのことで、今回の導入となりました。)

壁バッフルの改善や、機器配置の見直しによるケーブルの最短化。

       

これらを全て実施した上でのDEQXの再調整でした。

壁バッフルの改善については、思い切って中央の扉をボードで塞ぎ、また、スピーカーシステムと完全に密着させるなどの大幅な改善を実施しました。

これらの変更による低域の改善はある程度予測していたものの、結果としては想定の範囲を遥かに超えて、音の質そのもの、つまり音楽が全く変ってしまったと言っても良いほどです。

もう一度言います。

今までの数回に及ぶ改良作業でも旧いスピーカーによる再生音が確実に進化してきました。

しかし、今回は今までとは次元の違う領域に変化しました。

一言で云えば、低域の音が量の問題ではなく、明らかに質的な変化を遂げ、これがシステム全体の音を変えたと感じました。

今まではデックスによるマルチチャンネル化とチューニングで音の忠実度が大幅に向上しました。

しかし、曖昧なバッフル構造や室内空間の音響特性の影響と思われる音楽の再現性への不満、つまり、音楽性というか、演奏(者)の実在感がやや薄く感じられました。

歌やヴァイオリンソロでは演奏家の個性までを十分に聴き取りたい、という思いが残るのです。

その原因は、音の立体感や実在感が乏しく、平面的になってしまうことであり、壁バッフルの宿命かと思っていました。

より具体的には壁バッフルという特異な型態をとった結果、どうしても音が平面的になり、高さや横への広がりが表現しきれず、壁に音が張り付いたイメージで、音楽を楽しめない感じでした。

それが、今回はいろいろと変化する要素はあるとしても、まさにこの部分でこれほど大きな変化があるとは想定もしませんでした。

「サウンドステージ」という言い方があります。

驚き、喜んだのは、音が壁をはなれ、サウンドステージが形成されはじめたのです。

低域の改善で、交響曲や管弦楽などが楽しく聴けるであろうことは想定の範囲内だと申し上げました。

しかし、その想定を遥かに超えて「サウンドステージ」が眼前に形成され、歌物、ヴァイオリン、ピアノなどの独奏には音楽家の個性は勿論、演奏家がステージで演奏している実在感、つまり、実際に目の前で演奏しているというイメージが感じられるのです。

しかし、ここに至ってもまだ完成とは言えません。

これからも少しづつ改良を続けていく長い道が残っています。しかし、今回の成果でその道筋と方向性が見えはじめたことに強い感動をおぼえています。

Kurizz-Laboの栗原さん、ありがとうございました。

                                        平成25年7月31日
                                          世田谷のTMより。


   

■ 感動のレポート、ありがとうございました。

■ 紆余曲折の末にたどり着かれたという氏のシステムと巡り逢ってから足かけ3年。
■ オイロダインの底力を知るにつけ、その実力を出し切って見たい、という思いが募りました。
■ 超重量級の古典的真空管アンプ4台をクリズラボの地下室で徹底リニューアル。

  

■ テレフンケン製のV69(回路図)はインプットトランスの断線というトラブルを修理し、電源や入出力端子を新たに装備した結果、200V電源で20Wの出力と0.01%/1W以下の性能を復活。

  
■ ウィリアムソン型アンプ(回路図)であるLEAKのPoint ONEも200V電源で10W/0.01%/1Wを復活しました。このアンプでSEASのツィーターををドライブすることから、ホーンとの能率差を吸収するためゲインをテレフンケン製アンプよりも7dBほどアップしました。
■ そして、こちらも入出力コネクターの新設と、電源コンセントおよび電源スイッチの増設を行い、日常の運用性を大幅にアップしました。

      
■ ウーファーユニットをドライブするアンプはB&O社製の最新モジュールを搭載したApril MusicのS1をブリッジ接続で使用。500Wのパワーを確保しましたが、これはパワーの問題ではなく、オイロダインのユニットをきちんと制御するのが目的でした。
■ 結果はバッフルとの関係(隙間の排除)を大幅に見直したユニットと相まって、レンジの拡大とともに風のような風圧を感じさせる低域を得ることができました。
■ DEQXの調整を終えての最初の音出しでは、「えっ、なんと軽い低域なんだろう!」と感じました。しかし、聞き込むにつれて、後面開放型無限大バッフルという贅沢の極みとも言える効果が遺憾なく発揮され、本物の低音が出たのでは、というのが正直な感想です。

■ 今回はスピーカーシステムの設置と、壁バッフルに関する音響的な面からの大幅な改善、ドライブアンプの徹底した基本性能の確保と新たな視点による最新型デジタルアンプの採用、そして日東紡のANKHによる室内音響特性の積極的な改善策などを講じた結果、DEQXによる最終的なチューニングを経て、圧倒的な音質の改善ができたと感じています。

■ 今回は、音が部屋の音響特性を含むシステム全体の総合的な特性(電気的、物理的)で決定される、という基本的な事柄を改めて確認出来た貴重な体験となりました。

■ しかし、TM氏にとっては、新たな地平を目指す旅が始まったばかりかなのかもしれません。


                    Kurizz-Labo店主:栗原

   

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