◆ DEQXのHDP-3を導入して1年も経たない今年の7月、新製品のHDP-4を試聴する機会がありました。
◆ そして実際にその音を聴くまでは、HDP-3を購入してまだ1年にもならず、現状に充分満足していたことや、新製品と言っても違いはミリ単位であろうと考えて、今回は試聴だけで終るつもりでいました。
◆ とは言っても折角の機会なので、この際、指摘されていたスピーカー周りの音響対策やアンプの整備、継ぎ足しだったケーブルを購入して改めて整備した上でHDP-4を再度試聴しました。
● 出てきた音は激変しました!
◆ 私のシステムは、スピーカーが60年前のオイロダイン。かのウィリアムソンが自分でトランスをまいたというアンプ。そして、マランツ社が1956年に発表した記念碑的モデルの「#2型」というように、1950年代製造のオジイさん、オバアさんばかりです。
<バッフル面を除く三方の壁にはアナログディスクとCDがびっしり>
◆ しかし、これらのロートル達が、HDP-3を導入して以来、精一杯背のびをしたのか、あるいは尻をたたかれたのか、今までに聴いたことがないサウンドに変身し、暗がりから出たように晴ればれと鳴り、クラシックやジャズばかりでなく、ロックまでが苦もなく音楽を奏でる様になりました。
◆ そして、これまでは歳相応に落着いた音で、それこそ1950年代に録音されたレコードやCDの音が何ともいえない品格の高さを感じられる存在として鳴り響いていました。
◆ このように、HDP-3は品格の高さを残しながらも、見通しの良い明るさで楽しく音楽を聴かせてくれていました。
<CDプレーヤーとHDP-4> <オイロダイン+ツィーター>
◆ そして今回のHDP-4は・・・・・
◆ DEQX内部でのゲイン調整とかで、たまたま両機とも内部を見ることができましたが、素人目には似たようなパーツが並んでいるだけで大きな差異は判りませんでした。
◆ しかし、HDP-4から出て来た音は別次元でした。
◆ 低音の確認用でいつも聴いているリヒアルト・シュトラウスの「ツアラトゥストラはかく語りき」の冒頭、チェロ、コントラバスなどによる低音はまるで地底からむくむくと立ち上ってくるかのようです。
◆ こんな凄い音は今までに聴いたことがありません。
◆ 靜中動というか、静寂の中から音が湧き出てくる有様に思わず背すじがぞくぞくしました。
<低音と中音用はモノラルアンプ、高音用はステレオアンプでドライブ>
◆ これほどの違い、一体何が変わったのか・・・・
◆ スピーカーの取り付け、アンプの調整、ケーブルの交換、いろいろ考えられますが、答はシステム全体のSN比の向上にあるようです。無音が聞こえるのです。
◆ 同じ靜けさと言っても、都会の騒音の中の靜けさと、ヒマラヤの奥地のような高山におけるそれとの違いといったら良いでしょうか。
◆ 前言を撤回。試聴は試聴に終らず、HDP-4の導入を即座に決定しました。
◆ 導入して旬日も経ずに音の印象を正確に云うことはなかなか難しいのですが、再生芸術とかレコード演奏家とか言われているように、生の演奏会でも聴くことができない音があることに気付きました。
◆ 機器の存在を全く意識させず、音楽を奏でる演奏者と、それこそ1対1で空間を共有できる喜びが我が家で得られたことは、何ものにも代えがたいと想い始めています。
◆ 良い音楽を聴くための努力はまだまだ必要だと思いますが、レコード音楽を聴きはじめてから数十年も経ってから、ようやくその手がかりを掴むことが出来たと感じています。
◆ 有難がとう。
平成24年10月25日
Kurizz-Labo 様
世田谷のTMより
<1950年代の名器達が現代の空間に極上のサウンドを解き放ちます>
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