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User's Report
No. ユーザー DEQXの導入機種とシステムの特長 掲載時期
120 茨城県 KN氏 HDP-5 / TAD 2401 Twin からベストなサウンドを引き出す 2021年5月
[ TAD EXCLUSIVE model 2401 twin + ET-703 3Way (4Way) 再生システム ]


[ 再生システム系統図 ]


[ 再生機器群 ]

■ 感 想 文

『 DEQXの絶大な効果は良い意味で私の期待を裏切ってくれた! 』

Excusive2401twinは優秀な物理特性に裏付けられ、忠実な音を再現できるユニット群で構成されている。

この製品を最大限に活かすにはユニットをダイレクトにパワーアンプに接続し、ストレスのない駆動ができるマルチアンプ方式が理想であると確信している。

つい最近までのシステムを下図に示す。


[ DEQX導入前の再生システム ]

この状態の再生音でしばしば体験したのは、ある音(曲)は良いのだが、別のソースでは満足に鳴らない。

そして、時には突き刺さるような音で牙をむく時もある。

1.TD-4001ドライバーは2.5KHz前後にピークがあり、聴感を刺激する
2.水平に配置されたウーハーが干渉し合い、重要な中低域がボケる

これらは、多くの先輩方やメーカーも知っている事である。

「1」はカットオフなどである程度は調整可能だが、クロスするスロープの正確なレベル調整やタイムアライメントは不可能である。

「2」は某スピーカーメーカーもやっているように一本をサブウーハー化して100Hz以下を受け持たせる事でWウーファーの力強さを確保しながら中低域の籠もりを改善できる。

これはチャンデバを利用すれば可能だが定在波の除去は出来ない。

このような大きな問題を抱えたExcusive2401twinはホームオーディオでは高性能なポテンシャルを持て余し、最適なサウンドを引出すのは不可能に近い事が容易に理解される。

正直に言えば、見切りを付けて最新型のスピーカーを導入する事も考えた。

しかし、この名器を限界まで追い込んでいない事もまた承知をしていた。

そこで、最初に各ユニットの再着磁を行い、改めて調整を試みた。

馬力が向上し、軽やかな低域になり中高域も改善されるなど、良い結果が得られた。

更にチャンデバを最新型のデジタル式に変更をしたが大きな改善はなかった。

この辺りで通常のチャンデバによるマルチアンプの調整には限界があると痛感した。

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これらを踏まえ、以前から考えていたデジタル処理によるプロセッサーの導入を検討した。

ホームオーディオ用のデジタルプロセッサーはそれほど多くはないが、いくつかの候補を選び自宅で試聴した。

各製品とも大きな効果がある事は確認できたが、操作性も含め大きな違いはなかった。

そして、最終的にはDEQX社のシステムを導入する事とした。

決め手となった最大の要因は価格面でのアドバンテージである。

お陰で長年使用していたディスクリートアンプを同じDEQX社の最新型デジタルアンプに交換する余裕まで生まれた。

また、クリズラボの試聴室に出向いた折、デジタル機器の動作レベルをフルに設定し、パッシブATTで絞り込むシステムを聴かせて頂いた。

この効果は絶大で、信じられない程のS/N比の改善とともに微少レベルでの情報の多さに驚かされた。

これらの経緯もあり、DEQXとパワーアンプ、そしてクリズラボ製のATTを導入。

パワーアンプはウーハーとツィーター(ET-703)にも使うため合計4セットを購入。

4001ドライバーは MARK LEVINSON No23L をBTL接続で使用するマルチアンプ構成とになった。

システムが完成した段階でDEQXの初回調整を実施して貰った。

 
[ マルチアンプ方式での設定が完了した左右のスピーカーシステム ]

まず、最初にスピーカーの測定を行い、その結果からWウーハーの片側をA社のデジタルチャンデバを使って80Hz以上をカットし、中低域の干渉を改善。

2.5kHe付近のピークはDEQXのスピーカー補正機能によるフラット化で解消。

Wウーファーをスタガーで使う変則的な4Way構成のスピーカー補正を完了。

タイムアライメント、カットオフ、帯域間レベルなどを測定結果に基づき調整。(詳しくはクリズラボの解説を参照)

仕上げは部屋の影響で変形される伝達特性を補正してDEQXの調整が全て完了した。



[ 階上のテラスから見たシステムの全景 ]

調整後の音は・・・

Excusive 2401 twinから放たれた音は位相とレベルが正確に調整されたコヒーレントな状態となり、高いS/N比と相まって歌手が唄っている姿や、楽器を奏でる指使いまでがホログラフィーのように明瞭に聴き取れる。

音像定位もリスニングポジションからスピーカーの前後左右に正確に定位していることが確認できた。

ところで小さな信号をプリアンプで増幅してパワーアンプに送る通常のシステムではノイズも同じように増幅されてしまう。

クリズラボ製のATTは、動作レベルを最大にしたデジタル機器からの出力をATTで絞り込むことでノイズも最小化される効果が期待できる。

他社のデジタルプロセッサーの試聴では古いパワーアンプのせいだと思い込んでいたシャーノイズも確認出来ない程となった。

これによりノイズに埋もれていた本来の信号が忠実に再生され、情報量が明らかに増えたように感じる。

従来の方策ではどうしても取れなかったExcusive2401twinの「音の牙」もなくなり、明瞭な音像定位も相まってスピーカーの存在すら消し去るようであった。

ここまで次元の違う音を聴いてしまうと音楽ソースを次から次へと聴きたくなる衝動を抑える自制心が必要になるほどだ。

科学的に裏付けされたDEQXシステムはオーディオの深い森に射す光明である。

「標準」となる再生音の設定を得る事で、逆に自分の好みの音作りにも自信を持って挑戦出来る。

これからの人生における趣味のライフワークに勇気を頂いたようなものである。

クリズラボの栗原氏に感謝を申し上げ、DEQXシステム導入による感動のレポートを終了したい。

茨城県 KN

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■ 初回調整を実施して(Kurizz-Labo)

電話でお問合せを頂き、その後メールでのQ/Aが数十回。

3ヶ月後、ご自宅に伺いDEQXのデモをさせて頂きました。

その数週間後、軽井沢のクリズラボにお越し頂いて聴いて頂きました。

試聴後、DEQX製品のご購入と同時にRoonのライセンスも取得されました。

2ヶ月後に納品が完了し、ご自宅に伺って初回調整を実施しました。

結果は感想文をご覧頂き、ここでは初回調整の実施内容をご紹介します。


[ 図1]スピーカー測定

さすがは国産モニタースピーカーの代表格と言える、素晴らしい特性です。

2Wayでも-10dBまでの再生帯域では30Hz〜20kHzをクリヤーしています。

ウーファー(青線)は30Hzから1kHzまでを平坦にカバー。

Midのドライバーとホーン(赤線)も300Hzから20kHzをカバー。

このシステムに、実測で2.5kHz〜15kHzまでフラット(緑線)なET-703(定格は5〜45kHz)を加えた3Way構成です。

感想文の中で指摘されている中域のピーク成分については下図をご覧下さい。

[ 図2]Midレンジ用のドライバーとホーンの特性

DEQXの測定でも2.5kHzを頂点とする3dB程のピーク成分が確認できます。

人間の聴覚は2〜5kHzが100Hzや10kHzに対して10dB程感度が高くなっています。

本機の場合、10kHzに比べて2.5kHz付近が6〜7dBも高くなっています。

感度が最も高い敏感な帯域にあるこのピークは聴感に大きな影響があります

最初はメリハリのある明瞭度の高い音に聞こえても長時間のリスニングでは「突き刺さるような音で牙をむく時もある」とのお話も納得できます。

このピークを潰すためのL/Cネットワークが同社から販売されているのも頷けます。


[ 図3]スピーカー測定の結果をインパルス応答の特性に変換したグラフ

図は各ユニットから出たパルス状の音がマイクに到達してから減衰するまでの経過を見たものです。

最初にツィーター(T)からの音が到達しています。

続いてミッドレンジ(M)、最後にウーファー(W)の音が到達します。

・・・何か変です。これは通常のシステムとは異なる結果です。

振動板を前後方向で見れば、ツィーターとウーファーがほぼ同位置にあり、ミッドのドライバーはかなり後方となっています。

このため、通常ならツィーターとウーファーの音が最初に到達してミッドが遅れるはずです。

今回の場合原因は明確で、ウーファーの帯域を制限するために使用したデジタル信号処理のチャンネルデバイダーが原因となっています。

アナログ方式のチャンデバなら位相の変化だけですがデジタル式では必ず遅延を伴います。

実測値から計算するとデバイダーの遅延時間は1.85msとなります。

ただし、これらの到達時間の差は測定用マイクロホンの位置で全てが一致するようにDEQXが自動的に補正しますので心配は無用です。


[ 図4]DEQXのスピーカー補正を使わない場合の聴取位置に於ける周波数特性

上の図はリスニングポジションにおける周波数特性で、DEQXによる補正は行わず、通常のチャンデバのみで組み立てた場合に相当します。

再生帯域は-10dBまでの特性で見ると30Hzから18kHzまでとなります。

ミッドレンジを3dBほど下げると比較的良好な帯域バランスとなります。

しかし、2.5kHz前後のピークと全体の凸凹な特性は変わりません。

特に重要な50Hz〜15kHzの帯域で±15dBほどの山谷が生じています。

この辺りがチャンデバのみで構成したマルチアンプシステムの限界となります。

聴取位置での更なる良好な特性を得るには次のような方法があります。

1.部屋の寸法比や壁の平行面の排除等々の徹底した音響的処置
2.デジタル信号処理技術を利用した総合的な特性の改善

※ 「1.」の場合、スピーカーの位相や群遅延特性などの改善はできません


[ 図5]DEQXでスピーカーの補正を実施した時の聴取位置での特性

スピーカー測定で取得できた直接音の範囲(反射音が来るまでの時間で「図3」の緑のラインまで)を参考に、今回は300Hz〜20kHzをDEQXによるスピーカーの補正範囲としました。

このDEQXによる補正効果で500Hz以上の帯域は±3dB以内に収まっています。

補正範囲外の低域は部屋の影響で10dB以上のピークが生じています。

これを音響的な処理で解決しようとすると部屋全体に吸音材を入れる必要(笑)がありそうです。


[ 図6]DEQXのルーム補正機能で特性を整えた結果の周波数特性

DEQXのルーム補正機能で部屋のクセ(影響)を取り除いた結果、リスニングポジションでの再生周波数特性が全帯域で±3dBに収まりました。

ところで、CDなどのデジタル音源を使用する今時の再生システムではパワーアンプの出力までは完全にフラットな特性(20Hz〜20kHzで±0.2dB以内)が実現されています。

ところが、機械的な振動で成り立つスピーカーや音の伝達に大きな影響がある室内空間ではリスナーの位置でフラットな特性を確保する事は極めて困難です。

部屋の影響でスピーカーの音が歪められている実態はフラットな特性の場合と比較しない限り気付かないのが現実です。

スピーカー再生では部屋の影響を大きく受けるのがオーディオの宿命です。

どんなに優れたスピーカーでも再生空間による音の歪みからは逃れられません。

私見ですが、指向性が狭いホーンスピーカーはドーム型などに比べて部屋の影響を受けにくい性質が期待できると考えています。

この再生空間の歪みはスピーカーから信号音を出して聴取位置にマイクを置けば比較的簡単に調べられます。

もし手元にiPadかiPhoneがあれば下図のように直ぐに実践できます。


[ iPad(iPhone)一台で空間を含む周波数特性の測定が可能 ]

写真は机にセットした再生システムの周波数特性を測っているところで、iPadの画面に表示されている赤いバーが周波数毎のレベルです。

システム図にも示しましたが、追加機材は一切不要で、2,440円のソフトAudioToolsを購入するだけです。

測定できる周波数範囲はRTA(Real-time analyzer)を使った場合、25Hz〜20kHz(1/3オクターブ)となっています。

細かなピークやディップは判りませんが、音質的な傾向を確認するには十分です。

感覚だけに頼るのではなく、現状を知り、正しく対処することが音質向上の近道です。
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クリズラボ:栗原


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