■ 10周年記念メッセージ(八王子のS氏)

 
軽井沢のDEQX日本総代理店Kurizz-Laboが創業10周年と聞いて、それはスゴイ、オメデタイと筆を取りました。

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DEQXを購入するもっと以前、まだMark LevinsonのML-1プリを使っていた頃、Stereo Sound誌134号の特集「フルデジタル・サウンド」に柳沢氏の記事がありました。

その中にあったパイオニア製フルデジタル・プリアンプ「C-AX10」、そのスペックにとても興味を持ちました。

「C-AX10」は 2-way 専用で、幸いなことにクロスオーバーは650Hzと500Hz、これは我が家のレイオーディオのクロスオーバーにピッタリ、位相回転がないという「FIRフィルター」とタイムアライメントまで付いていると知り、嬉々として購入しました。

いろいろ試して聴いてみると、650と500では「500Hz」が圧倒的にイイ。少し鼻声だった女性ボーカルの低域がウッドホーンだけから出るようになると一段と輝きを増して来る、もっとクロスオーバーを下げればさらに良くなるのではないか・・・。

かたやライバル機として紹介されてた A社の ○○35、「FIRフィルター」はないけれど、周波数はもっと低い周波数まで選択が可能で、スロープも「96dB/oct」まで設定できるし、タイムアライメントも付いている。しかし残念ながらこれ一台だけでは音が出ず、同じ会社のデジタルプリを買う必要がある。

同じくStereo Sound誌 168号に「いい音のためのベストツール イコライザーのすすめ」と題して、A社の○○48が取り上げられていました。これまたスゴイ!。リスニングポイントでF特を調整でき、自動調整も備えていました。

いずれはA社のプリとチャンデバ、そして音場補正マシンのラインアップを購入しなくては・・・と考えていた時にオーディオ仲間から誘惑が来ました。

彼が見せてくれたMJ誌に「DEQX PDC-2.6」という製品が紹介されていました。

A社のプリと同じくフルデジタルプリの機能、同社のチャンデバを上回る「300dB/oct」までの「FIRフィルター」とタイムアライメント機能、そして音場補正機と同様にグラフィックイコライザーでリスニングポイントのF特を調整できる・・・

これ一台で済むのならラックを買い足さなくても済むし、ケーブルの取り回しで苦労することもないし・・・まさに「お前の欲しいのはコレだろう」と言われている様な気がしました。

すぐに電話で連絡をし、大晦日まで数日という年の瀬も全く気にせずに、軽井沢に押しかけました(すみません、栗原さん)。

聴かせてもらったのは我が家とほぼ同じユニット構成、TAD TD-4001ドライバーとTL-1601aウーファーでしたが、よくここまでフォーカスの合った音が出るもんだと関心しました。

我が家はTL-1601bウーファーがバーチカルツインで使われているバスレフ式、クリズラボは密閉箱、それだけでココまでの違いが出るものなのか・・・DEQXの威力は大したものだ、とまたまた関心しました。

早速購入して自宅へ持ち帰り、さあ接続を・・・と始めましたが、付属のマニュアルが非常に分かり辛い。分かり辛いというより「全然、何をして良いのか分からない」・・・だんだんイライラして来ました。

軽井沢で聴かせてもらった「あの音」をDEQXを使って出したい、ただその一心で毎日の様に軽井沢にメイルを出したり友人に来てもらったり・・・悪戦苦闘の半年があっと言う間に過ぎてしまいました。

しばらくの間、オーディオマニアでなく音楽マニアになって楽しんでいると、せっかく教えてもらった設定手順を忘れてしまって迷路に迷い込み、最後は大切なイコライザーを全部消去してしまったり・・・こんなことでは何年かかっても「あの音」は出せない、と自分専用のマニュアルを作成しました。

「コーヒー片手に、ハードバップを聴きながら何も考えずに、ワンステップずつマニュアルにある手順に沿って、ただクリックしていくだけ」、私の自分専用の「簡単マニュアル」が完成しました。

栗原さんに見せたら、「一般的なユーザーさんにはとても分かり易いのでは」と言ってもらい、クリズラボのWebサイトに掲載され、何人かのユーザーの方々からは「使っているよ」、「これ助かるよ」という様な望外の励ましを頂きました。

年末に軽井沢に押しかけたあの日からもうすぐ8年。しかしマニュアルを作成した本人が一番理解が進んでいないかも知れません。

依然として「あの音」に近づいている気配はなく、パワーアンプが良くないと言って買い換えたり、HDP-4のDACよりこちらの方が良い音がするかも、といってEsotericのDACにしてみたり・・・。

いろいろ試して、最近やっと分かってきたのはDEQXの基本的な操作だけでは「あの音」は出ないということです。

一度だけ、栗原さんにイコライザーの調整をしてもらったことがあります。

悪戦苦闘して自分で作成したイコライザーファイルを軽井沢に送って、修正してもらったイコライザーを見たらほぼ同じ様なフラットなF特なのにイコライザーカーブは結構違う・・・

「こんな深いディップを2、3dB引張り上げても効果あるのかな?」とか、「このピーク、潰さないで放っておいてイイのかな?」などと疑問がいっぱい出て来ました。

しかし聴いてみると、オドロキの音でした。

自分のイコライザーは「Jazz用、クラシック用、ロック用」と3種類にしないと満足できませんが、栗原さんのイコライザーは「万能!!」、

このイコライザー1本でOK、どのジャンルを聴いても大満足で全く聴き易い・・音楽が楽しい。

結論として自分でいろいろ試してコンポーネントが決まったら最後の仕上げはクリズラボにお願いするのがベストだと思います。

今年が10周年で栗原さんは67歳・・・あと20周年は十分イケる・・・いえいえ30周年まで何とか現役を続けて欲しいものです。

今後ともご指導、よろしくお願い致します。

八王子のSより


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