先日、突然おじゃました東京、大田区在住のSSです。
その節はご親切にご対応いただきありがとうございました。
おいしいコーヒーと絵と音と定年後の生き方まで、とても素敵なお話ができてうれしく思います。
< 別冊FM fan 1980年春号(通巻25号)に登場のSS氏(左)と黒川晃氏(右) >
(写真の話は後ほど)
東京に戻ってから暑さと急な仕事で少々バテ気味、この暑さではオーディオはしばらくお休みです。
(ご来訪は8月、夏真っ盛りの頃でした)
今思い出しても、あの日は貴殿のシステムのすごさには圧倒されました。
あれだけナチュラルで演奏のニュアンスまで再現するTADは初めてです。
ライブな生活空間でのみずみずしい音に加えて、見えるような分解能、リアルな楽器ノイズ、動いてもピンポイントの定位や音の変化が僅か。そしていかにも上質な録音時のテープヒスまで聴こえるなど、驚きの連続でした。
このような音に接すると情けない我が家のオーディオも改めて少しはいじってみようかという気になります。
デジタル技術を駆使すればここまで行けるかという新しい時代の到来を改めて実感すると同時に、山根氏・山中氏の論争、高城氏と五味氏の確執、デジタル vs アナログなどなど懐かしく思い出しました。
帰宅後、改めてクリズラボのホームページを拝見し、遅ればせながら多彩な経歴をお持ちの方であることを知りました。
驚いたのは東亜特殊電機(現、TOA)と共同で開発したデジタルミキシングコンソールは貴殿が手掛けたプロジェクトだったのですね。
また、電波科学の筆者として毎号寄稿されていたとのこと。バックナンバーを改めて読み返しました。
軽井沢で定例のイベントも開催されているとのこと。今回は駆け足だったのでさらにいろいろ拝見したく、機会がありましたらおまた邪魔させてください。
ありがとうございました。
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ご来訪の数日後に頂いたメールはここまでです。
しかし、当日の氏のお話しの中に耳馴染みのある大御所の名前が多数登場したのです。
例えば「高城重躬」さん・・・私はオーディオ誌で知るのみ。
なんと、氏は高城さんのお宅に伺ってちゃっかり(笑)音を聴いたとのこと。
聞き捨てなりません。
SS氏にお願いして、この辺りのお話しを、と改めてお願いしました。
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まずは、
高城重躬さん;----------
< 1993年-JUNのラジオ技術誌に
メトロノームの話が!>
面識はありませんでしたが街中でお見かけし、「ひょっとしたら高城さんですか」、とお声掛けしたら「そうです、どうぞ自宅に」ということで2~3回伺いました。
お土産の手作りメトロノームを大変喜んでくださって、ラジ技にまで写真付きで紹介されました。
(これが上のメトロノームの話です。)
高城さんの音はあっけないくらい自然で迫力とか帯域を超越した聴こえ方に肩透かしを食ったようですが、内田光子さんのCDに合わせてスタインウェイを弾きだし、良く似た音でしょうとにっこりする氏が忘れられません。
初めて伺った時、手許のキン(お寺の小さい鐘)を鳴らし、これと同じ周波数の音をピアノで出してごらんなさい、と言われました。
すぐに探り当てたのを見て、“なかなか良い耳ですね、マニアの中には信じがたい音感の人が居るのでオーディオ好きの人には必ずやってもらっています。”
と、言われたのも良い思い出です。
< 氏手作りの電子メトロノーム > < パネルを外したところ >
寺垣武さん;----------
CDが始まってからLPプレーヤ開発をスタートした寺垣プレーヤですが、原理原則に従った機構に圧倒されました。
キャビネットなしの平板スピーカも独特な自然な音が興味深く、数えきれないくらい伺い、オーディオのヒントもたくさんいただきました。
発想のユニークさ、実現力はピカイチ、家内(そのころは家内ではなかった!)もすっかりファンになり仲人までお願いしました。
寺垣氏とは不思議な縁があります。
自分の叔父の親友が寺垣プレーヤ開発で試作加工を受けていました。
オーディオ好きの甥っ子がいるという話を聞いていたそうです。
やがて自分も寺垣研究所に出入りするようになり、試作加工の紹介をされたとき、“話はきいているよ、石井さん(叔父の名前)の甥っ子だろ、顔を見てすぐ分かった、叔父と甥だから良く似ているね、そっくりだ” と言われました。
高橋和正さん;----------
友人の紹介でお宅に伺ったのは1回ですが、ユニウェーブスピーカーを強力なMFBでドライブしている音がたいへん静かで力強く、MFBを再認識いたしました。
検出コイルの工夫が実にすばらしい。
黒川晃さん;----------(最上段の写真の話です)
栗原さんが電波科学誌の筆者をされていた時期と一緒かなと思います。
写真は友人がFMファン誌の取材を受けたときに同席したときのものです。
友人と私が製作した自作真空管FMチューナを種に黒川氏と盛り上がり、川崎のお宅にも伺いました。
パイオニアの普通のスピーカを普通に鳴らしているのにカートリッジの違いがものすごく良く分かりびっくりしたことをよく覚えています。
林尚武さん、健さん;----------(STAXの方)
科学技術館でのオーディオフェアでコンデンサヘッドフォンに仰天。 中学生にも丁寧に説明してくれたことが嬉しくて雑司ヶ谷に何度となく伺っているうちに数10年。
すっかり親しくなり結婚式にも出ていただきました。
中島平太郎さん;----------
寺垣研究所に出入りしているうちに紹介され、仲間内の寄合にも参加。
勤務先の関係から意外にも交流が容易で、CDはもちろん、スピーカ、マイクロフォン、音場や室内音響などさまざまなお話を伺い、良い勉強になっています。
最近の氏のお気に入りは、真空管アンプでドライブするたまごスピーカのご様子。
小泉永次郎さん;----------
友人と麻布のオンケンに一度伺いました。
コストパフォーマンスが高いホーンスピーカと感じましたが、そのころはゴトウユニットに目がいっていた時期で、ゴトウより太い音が記憶にある程度です。
理論派の方で、スピーカーメーカーのイメージが先行していましたが、アンプにもとても詳しく、肝心のホーンスピーカよりアンプのお話しが面白かったことを覚えています。
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以上、特別にお願いして当日のお話しに登場した方々との触れ合いをレポートして頂きました。
時代的には我が青春と重なるのですが、鎌倉の田舎のアパートで24㎜厚、3×6のベニヤ板を切ってはスピーカーを作る毎日でした。
過日、お話しを伺っていて氏のアクティビティに驚きくと同時に、私にその1/10でも行動力があれば当時のオーディオ界の重鎮の方々とお会いして音とお話が聞けたと思うと・・・・
先日ご訪問頂いたお二人の若者(リポート済み)には出来る限り多くの「音」を聴きに行って頂きたい、と願う次第です。
SS氏には二度もリポートを頂き、感謝申し上げます。
最後にクリズラボからのCMを・・・・
軽井沢方面にお出かけの際にはご一報下さい。珈琲と音楽とオジサンが待っています。
クリズラボからの特別リポートでした。
軽井沢でDEQXを!(案内パンフレット)
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