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No. ユーザー DEQXの導入機種とシステムの特長 掲載時期
92 大分県 TN氏 HDP-4 / 手作りアンプの会、九州支部例会に参加されたTN氏 2017年 5月

[写真1]地震の爪痕残す熊本城(左奥に修復中の大天守が見える)

・ゴールデンウィーク前半の4月30日、熊本市で開催された定例会に参加してきました。

・この会は「手作りアンプの会」(下記URLを参照)の九州支部が企画するもので、九州地区の
 手作りオーディオを楽しまれている方々が集まり、自ら製作されたアンプやスピーカーを持ち
 寄って試聴会や実験をおこなっています。

手作りアンプの会

・これまでの九州支部による例会の活動等については以下の掲示板をご覧下さい。。

オーディオ掲示板(九州地区)

・私にとっては今回が初めての参加となりますが、あいにく皆様にご披露できる手作りの機器が
 ありません。

・そこで私のシステムの中核となっているDEQX社のHDP-4とマイク、パソコンを持参し、DEQX
 による音の変化を楽しんで頂くことにしました。

・前日、熊本に移動して一泊。せっかくなので有名な熊本城を見てきました。[写真1]

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[写真2]例会が開催されたお部屋の様子

・定例会の会場は根っからのオーディオファンでもある循環器内科の先生の病院にある談話室
(現在はオーディオ試聴室?)が提供されていました。

・写真のようにJBLの4345が鎮座している30畳程度のライブな部屋で、4343も見えます。

・今回は十数名参加されましたが、基本的にはアンプやスピーカーを自作されている方々が中心
 で、福岡県、宮崎県、大分県(・・・私です)からも参加されています。

・この会で中心となってお声掛けされているのは元大学教授のM先生で、電子回路についても、
 理論と実践の両面から大変造詣が深く、私の先輩でもあります。

・M先生は長年にわたってアンプやスピーカーシステムの手作りを楽しまれていて、ご自宅には
 低音が38cmのダブルウーファにオンケンのホーンスピーカーを組合せ、自作アンプでJazzを楽
 しまれています。

・また、アンプによる音の違いや、記録方式(圧縮やビットレートの違いなど)による音の違い
 が本当に聞き取れるのかをブラインドテストに近い方法で実験されています。

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・さて、当日の午前10時会場に到着すると既にJBLの大型スピーカーが雰囲気のある余裕を持っ
 た音でジャズヴォーカルを朗々と奏でていました。

・挨拶もそこそこに持参したDEQXのHDP-4をCDプレーヤーとパワーアンプの間にセット。

・Single ampモードによる測定を行い、比較試聴ができるよう設定しました。

・DEQXの試聴会であればもう少し時間をかけてRoom測定とPEQ(パラメトリックEQ)による
 ルーム補正や、Bi Ampによる2wayマルチ駆動などの実験も行いたかったところです。

・しかし、当日は限られた時間の中で手作りスピーカーやアンプの試聴等もあり、今回は短時間
 で可能なスピーカー補正(片CHのデーターを両CHに適用)のみを聞いて頂きました。

・DEQXの設定ができた段階で簡単な説明をさせて頂き、リモコンでスルーと補正後の音を比較
 して頂きました。

・今回はスピーカー補正のみでしたが音質の違いは想像以上で「一聴瞭然」という感じでした。
 同席の方々にも明瞭に実感して頂けたようです。

・試聴中に気が付いたのですがJBL4345のMidとMid-Lowのレベルを調整するATTが僅かに絞ら
 れており、この辺りも含めてDEQXが補正したことで変化幅が大きくなったようです。

・下図はDEQXによる補正をおこなう前と後の周波数特性を比較したものです。


[図-1]図にマウス重ねるとDEQXでピーカー補正を行った時の特性を示します

・補正前の特性で400Hz位から10kHzの領域が低いのは前述のATTの影響と思われます。

・DEQXによる補正で300Hz〜20kHzまでがほぼ平坦になっていることが判ります。

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・その後、皆様が持ち込まれた手作りのスピーカー(共に10cmのフルレンジユニット)が2種類
 披露されました。

・まずはそのまま試聴しましたが、どちらも結構な音量で鳴らしたにもかかわらず頑張って良い
 音で鳴っていました。しかし、聴き込むにつれてやや個性の強い再生音に感じられました。

・そこで私から「折角ですからDEQXで周波数特性を測定してみませんか」と提案し、ついでに
 キャリブレーションも行って、その効果を楽しんで頂きました。

・素のままでは個性の強い音もDEQXのスピーカー補正を掛けるだけであれよあれよという間に
 いわゆるHi-Fi音に「激変」です。

・誰が聴いてもわかるこの変化、さすが面目躍如のDEQXです。


[写真3]Fostex 10cmドライバを用いたTQWT方式のスピーカー


[図2]10cmウッドコーンスピーカー(写真3)の周波数特性(補正なし)

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[写真4]10cmウッドコーンドライバを用いたスピーカー


[図3]10cmウッドコーンスピーカー(写真4)の周波数特性(補正なし)

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・その後は皆様の手作りによる3極管シングルアンプ(写真5)やトランジスタ式のパワーアンプ
 の試聴に移行しましたのでDEQXの出番はなくなりました。

・3極管パワーアンプは10Wにも満たない出力だそうですが、大音量でも歪みなく4345を鳴らし
 ていたのが印象的でした。

・写真は撮り忘れましたがトランジスタ式のパワーアンプは電源トランスがRコアを用いた手巻き
 とのこと。

・コアの最大磁束密度、断面積、磁路長等をパラメータとして1次側に必要な巻数を計算されたの
 ではないかと思います。

・ここまで拘る姿勢には脱帽で、正に「自作の鑑」ではないでしょうか。


[写真5]3極管シングルパワーアンプとセレクタ・アッテネータ

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・今回参加させて頂いた「手作りアンプの会」は、いわゆる「クラフトマン」の方々の集まりで
 した。

・自らのアイデアと努力で「作る楽しみ」と「変わる楽しみ」をオーディオ仲間で共有すること
 を目的とされている会であると感じました。

・そこに既製品のDEQを持ち込み、音の「激変」こそ実感して頂きましたが、会の趣旨にマッチ
 していたのか、若干の不安が残りました。

・最後になりましたが、初参加にもかかわらず貴重な体験をさせて頂くとともに心温かい皆様に
 この場を借りて厚く御礼申し上げます。

大分のTNより
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・TNさん、今回は貴重な体験リポート、本当にありがとうございました。

・そして、「手作りアンプの会」九州地区の皆様の情熱も頂きました。

・連日地下室でアンプ作りに励んでいる私としては「クラフトマンの世界」も大好きです。

・多様な楽しみ方ができるオーディオで「人の輪」が益々広がればと願っています。

Kurizz-Labo:栗原信義

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