■ DEQXを導入され、ご了解頂いた方々のシステムと試聴リポートを掲載させて頂きました.
■ また、デモなどでDEQXの音を聴いて頂いた方々の感想をそのまま掲載させて頂きました.



2014年9月:金沢市のKK氏宅/HDP-4導入

(2014年10月6日掲載)

■ 「満を持して」という言葉があります。意味は、「事の実行に絶好の機会となる、充分な用意をして待っていた機会が訪れる」といった意味(weblioより)だそうです。

■ 9月5日、金沢市(石川県)のKKさんから、在庫と納期を尋ねる始めてのメールが届きました。

■ 早速、ご返事を出すと翌日には正式注文のメールが届き、その翌日にはご入金という「ギネス」もビックリの速攻でした。

■ このご期待に応えるべく、私も即DEQX社にオーダーすると2週間と3日後の24日には商品が到着。

■ 入念にチェックを行い、翌25日には出荷。9月の26日にKK氏宅に到着する予定でした。

■ そしてその日の夕方、「HDP-4が来ました。」とのメールを受け取り、ホッとした瞬間でした。

■ ここまではギネス級を除けば通常のパターンですが、この日のメールになんと、DEQX使用後の感想文まで付いていました。

■ えっ、今日着いたはずなのに・・・・・調整の状況とともに、次の一文が掲載されていました。
----------------------------------------------------
音質についてですが、追い込みが不十分な現状でもHDP-4の導入で格段にクオリティーが上がっているのが判ります。

今まで使用してきたデジタル機器の影響と思われる信号のビット落ちが減ったためでしょうか、歪みっぽさや、きつさが大幅に改善しました。

ガンガン音量を上げてもうるさくならず、音の密度だけが上がる感じになってきました。

中高域を完全にフラットな特性にしても違和感はなく普通に聴けます。そして、心なしか低域の分解能も上がったように思います。

ただ、システムが改善された結果、部屋の問題が改めて浮き彫りになった感じなので、今後はそちらの対策も併せて進めていきたいと思います。

使用中のスピーカーを改造するには勇気が要りますが、いつかはネットワークをバイパスして純粋な3WAYマルチにも挑戦してみたいところですね。


   < KK氏のシステム:JBLのK2-S5800を2台のローテル製ハイパワーアンプでドライブ>
--------------------------------------------
■ とてもDEQXが到着した日のレポートとは思えません。本当は一週間ほど前に到着していたのではないかと疑いたくなりますが、出荷したのはこの私です(笑)。

■ この謎はDEQX導入までのKK氏のシステムを伺って納得できました。

 
        < 昨日(10月5日)にKK氏から届いた写真に謎解きのヒントが!>

■ 写真をよく見るとDEQX(HDP-4)の上にB社のデジタルイコライザーがあります。

これは主にコンサートなどのPAに使われるもので、手動/自動のイコライザー以外にも多彩な機能を備えた極めてC/Pの高いプロ用の製品です。

■ DEQXが入る前にKK氏が利用していた機器は
  ・ TEAC / VRDS25XS
  ・ CEC / DA53×2
  ・ ORPHEUS / TWO
  ・ BEHRINGER / DEQ2496
  ・ デジタルchデバイダー
  ・ ROTEL / RB-1090×2
  ・ JBL K2-S5800×2
  とのことでした。

■ つまり、スピーカーや室内の音響特性を測定し、その結果から自動/手動で音響的な補正を行うといった作業は氏にとっては日常の事だったのです。

■ そんな中、今年の9月初旬、ネット検索でDEQXに遭遇してしまった(笑)ことになります。

■ 現在はデジタルEQとデジタルchデバイダーをHDP-4に置き換えたとのこと。

■ KK氏にとっては、「満を持して」のDEQX導入という訳だったのですね。

■ 今回のUser's Reportは昨日届いた写真とともに、メールに書かれていたその時々の貴重な感想を順不同で掲載させて頂きます。


>私がDEQXを選んだ理由

オーディオマニアの方達が劣化を恐れてのシンプルイズベストを求めるためなのか、音質調整機能のないアンプばかりになっていく状況に違和感を覚えていました。

聴取、あるいは映像付きであれば視聴位置、についての自由度があまりない状態で電気的な補正を嫌いすぎるのはナンセンスです。

また、スピーカーをマルチアンプでドライブする方式は見た目こそ複雑ですが、ユニット側から見れば最もシンプルで性能を最大限に発揮できる方法だと思います。

こうした思いを実現するため、まずはアナログのチャンネルデバイダーを導入してみました。結果は音質的な向上を感じつつも期待したほどではありませんでした。

アナログ領域での処理では位相の乱れ(回転)が生じることや、製品自体のクォリティーに問題があったのかも知れません。


デジタル領域での信号処理であれば劣化もなく、チャンネル毎の遅延も可能で、ほぼ理論通りの結果が出るはずです。

室内より遥かに制限の多いカーオーディオでの音質や定位がデジタル処理による補正で劇的に改善するのを見て、こうしたメリットをピュアオーディオのアンプにも組み込んで欲しいという思いがありました。

そして、なければ作れば良い!とばかりに、デジタルEQ+デジタルchデバ+マルチDAC+マルチchプリアンプ、そして2台のパワーアンプでJBLをバイアンプ駆動することにしました。

結果は!

多少の不安があった激安のデジタルEQはやはりそれなりの作りでした。激安のデジタルchデバもさぞかし演算誤差が出ているのだろうと想像はしていましたが、出てきた音は想像を遥かに超えるものでした

出てきた音の楽しさに「大笑い」して、それっきりになっていたのですが・・・・・

時が経つにつれて、仕方がないとは言えデジタル処理部の安っぽさや、フォーマット的な余裕がないこと、さらにはデジタルEQではあっても位相が回るタイプなので強い補正は無理なことなどが気になり始めました。

デジタル信号の処理部分をしっかりしたクォリティーのものに置き換えて、さらに徹底的に調整すればまだまだ向上するに違いないという思いが続いていました。

そんな矢先、ネットで「デジタルチャンネルデバイダー FIR」などと検索したのが運の尽き(笑)でした。


HDP-4が来ました。

26日に到着したDEQXは取り敢えず今までのデジタルEQとチャンデバを置き換える形で入れました。

真っ先に感じたのはノートPCを聴取位置に置いて調整出来るのは本当に便利ですね。

スピーカーや部屋の自動補正も優秀で、8割方は勝手にやってくれるので本当に楽ちんです。

そして、要所要所でちゃんと介入できるのも嬉しい事です。

AVアンプの自動補正だとボンボンした感じの低音過多に調整されることが多いのですが、DEQXのスピーカー補正はLimits機能で帯域制限ができるので安心です。今のところ、低域側を250Hzまでとすることでしっくり来る感じです。

我が家ではスピーカーから1.3m程の至近距離で聞いています。このためスピーカー測定は1mよりかなり近い、60㎝にマイクを立てています。

Room測定は1.3mですが、スピーカー測定とあまり変わらない距離のため、部屋の特性を採りきれない感じで、オートセットEQ機能ではごく僅かしか補正してくれません。

スピーカーの左側にはラックがあり、右側はオープンスペースです。こうした条件の違いもあるためか、150Hz以下の低音域には妙なピークやディップが出ます。これは以前から観測されていたもので、室内音響的な対策が必要かもしれません。

 
          <DEQXが到着した日の成果!Room測定結果のグラフ>

写真撮影お願いの件

システム写真についてはもう少しお時間をいただければと思います。とにかく部屋を片づけないと人様にお見せできる状態ではございませんので。

ことによると片づけ後に再測定が必要になるかもしれません(笑)

「部屋の片付けついでにスピーカーを移動して測定したら。」とのご指摘ですが、さすがにスピーカーを部屋のど真ん中まで引っ張ってくるのは難しいかもしれませんが、ついでに少しでも部屋の影響を受けにくいよう対策した上でまじめに測定したいとは思っています。

ただ経験的には引っ越し直後の音質が最悪で、時間とともに部屋が散らかっていくのにしたがって音が良くなっていく気がしています。

定在波や残響のコントロールに一役買っているのかもしれません。一通りのセットアップが終わったら、きっと元通り散らかすことになるでしょう(笑)

10月5日、片付けとSP測定を実施しました。

以前のスピーカー測定では左右で若干の特性差がありました。でも今回、部屋の真ん中でスピーカーの特性を取りなおしてみると、ほとんど差がありませんでした。

やっぱり左右非対称な設置の影響がもろに出ているってことになりますが、ユニットの故障ではなさそうでほっと一安心でもあります。

背面にあるバスレフポートからの放射が話をややこしくしている可能性も気になっていたので、ダクトに布を詰めた状態でもスピーカーを計測してみると低音部の減衰特性が随分と素直になりました。

いずれちゃんとした詰め物を用意して密閉バージョンも試してみたいところです。

ためしにクロスオーバーのスロープもいじってみました。800Hzを中心周波数を中心にして限界に近い128dB/octのスロープでクロスさせていますが、これを24dBとかにすると派手でキャッチーな音になりますが実体感が劣化してしまいました。

急峻なスロープ特性にはデメリットもあるのでしょうが、それを含めてもやはり鋭い方が好みに感じます。ここはもう戻せませんね。

測定データをもとに自動イコライジングを行うと低音域が補正されましたが、実際の効果としてはむしろ中音域を中心に質が向上するように感じました。面白いものです。

 
    <ノートPCを前にして、K2-S5800と対峙する様はまさに男の牙城ですね >

> 話はちょっと変わりますが……再生時の頭切れについて


基本性能の点では一日にして大満足の域に達し、にやにやしっぱなしなんですが、機能的にちょっとだけ難点が・・・・

CDの曲の頭出しでリレーがカチカチ言って頭がわずかに切れます。その後数秒の間は不安定で、場合によっては音が一瞬フェードしたりもします。

CDプレーヤーの一時停止を併用すれば回避できますし、アルバムを流して聴く分には問題ありませんが、あまり気持ちよくありません。

あと、CDプレーヤーを停止した状態ではDEQXからのデジタル出力にも影響が出るのか、下流のDACが悩んで数秒ごとにカチカチとロックしたり外れたりします。ここら辺はDACとの相性もあるかもしれませんが。

デジタル入力端子ごとに対応周波数を固定(44.1kHzとか)してしまうわけには行かないのでしょうかね?

この問題について書かれていたDEQX clubの過去ログに一通り目を通させていただきました。

再生開始時のリレー作動(ミュート)や一瞬のフェードについては、サンプリング周波数切り替えの問題だけではないのですね。

サンプリングレートコンバータを使うと再生が安定するという記事を見ていてふと思いついた事があり、 実験してみました。

DEQX導入以前に使っていた格安デジタルプロセッサー(BEHRINGER DEQ2496)をCDPとDEQXの間に挟み、一切の処理を加えないバイパスモードに設定しました。デジタル入力のゲインも0dBにしていますので、単に入ってきた44.1kHzのデータをそのまま出しているだけです。

すると、なんということでしょうか!(笑)

再生開始時のDEQXのミュートやフェード、再生停止時の外付けDACのロック外れに伴うリレーのカチカチ音ともども、完全に消えてしまいました。

どうやらこのB社のプロセッサー、エフェクターとしての処理は一切行わない状態ても、デジタル信号を作り直して出力しているのだと思われます。

幸い(?)私の駄耳ではプロセッサーの挿入による明らかな劣化はわかりませんがビットが一致しなくなったり、ジッターが増えてなければいいんですが。

DEQXの導入を機に、せっかく取り除いた格の違う機材をまたシステムに入れるのは少し気持ち悪いのですが、しばらくはこのまま使ってみようかと思います。スペアナ表示も便利ですし(笑)

もう一点、そういえばDEQXは処理前の段階でサンプリングレートを変更していますね。とすると、内蔵DACやデジタル出力は入力に対しては非同期で、DEQX内部のクロックを用いているって事でしょうか?

もしそうなら、ノイズが流れ込まないようにさえ注意すれば、上流でのジッターにこだわる意味は乏しい かもしれませんね。

いやいや、シロート考えなので何か勘違いがあるかもしれませんが……

ジッターの影響を我が駄耳で検出できるかはわかりませんが、少なくとも非同期でサンプリングレート変換しているDEQXにはジッターへの抵抗力がありそうですね。直結にこだわらず、このままDEQ2496経由で行っちゃおうかと考えています。

もちろん、電源ONでデジタル信号が出続けるCDプレーヤーに替えれば解決すると思いますが、現用のいかにもごついCD専用プレーヤーにディスクをセットしつつ、気分を高めるような無駄も趣味のオーディオとしての重要な儀式の一つということで(笑)お許し下さい。

スピーカーを移動して改めて測定と調整をして、音の途切れも解決した今の音がまた素晴らしく、あまりの嬉しさについつい手持ちのCDを聞きまくってしまいました。

実は、ピュアオーディオと並行してAVコントロールアンプのフロントチャンネルをDEQXに入れてみました。

すると、こちらの音質も相当向上したのでDVDもどんどん観直したくなっているところです。

この系統ではDA/AD変換が入る分、むしろデジタル接続のCDよりも音の向上度合いが大
きいかもしれません。

要となる部分への投資はシステム全体に大きく効くという事を実感しています。

> 私の独り言…

オーディオの世界はなまじ数値化しにくい分、オカルト一歩手前、あるいは完全にオカルトと思われるものまでがまかり通っていると感じています。

人間の耳は計測機器より敏感だとか言いつつ、データー的なものを完全に無視しながら異常に微妙な変化に拘泥してしまう感覚はどうしても理解できません。

ケーブルや電源タップで音に違いがあるとしても値段に見合っているとはとても思えません。

私自身はイコライザーやディバイダーのちょっとした調整の方がアクセサリー類の効果よりもずっと変化が大きいことに気付いてからは、こうしたものにほとんどお金を使わなくなりました。

音響特性を自動的にフラットにしたところから好みで味付けをするというのは、カーオーディオやAVアンプの世界では既に当たり前となっています。

こうした利点をピュアオーディオで利用しない理由はないはずですが・・・

そう信じて、ただただ大物を待っていた感じがします。

                                            金沢市のKKより

               ※ 感想文の項目は順不同です。文責はKurizz-Laboにあります。

<6日夜のメールから追加>

現在、基本的なセッティングが終わり、十分満足してCDを聴きまくっていますが、気が付くとどんどん音量を上げてしまうようになってしまった自分に驚いています。

このへんは端的にDEQXの効果を示している気がしますね。

それにしても、これまでに経験のない大音量で聴いているのため、いつご近所から苦情が出るかとちょっと心配でもあります(笑)


<物騒な世の中です。夜はカギを掛けてお休み下さい。Kurizz-Laboより>



■ 初回調整のお呼びが掛からず(笑)、いまだにお顔も存じ上げません。

最初のメールから丁度一ヶ月が過ぎました。

■ KKさんの再生システムに対する考え方や、実行されてきたことをメールを通じて知るにつけ、ぜひお合いして、一献傾けたく思っています

■ 来年(2015年)の3月14日には長野新幹線が金沢まで延長され、北陸新幹線となります。

■ 軽井沢駅で8時46分発の新幹線に乗れば金沢駅に10時26分に着くとのこと。

■ 改めてお顔を拝見してシステムを聴かせて頂き、金沢で美味しい昼食を御馳走になって(笑)、金沢駅を14時46分に出れば、軽井沢駅には16時49分に帰ってこられます。

■ あれっ、一献傾ける予定が・・・新幹線ではなく、自動車で行きます。

■ この度は写真撮影までお願いしてしまい、申し訳ありませんでした。

■ そして、貴重なご意見の数々、ありがとうございました。

■ 何時の日か、お目に掛かれることを楽しみにしております。

                    Kurizz-Labo店主:栗原



 ページTopへ