システムにDEQXを組み込む方法

DEQXは,
 ・スピーカーと室内の音響特性の補正
 ・チャンネルデバイダー
 ・プリアンプ
 という3つの基本的な機能を備えています。

 スピーカーシステム単体の特性補正を行う製品は他に例を見ないものですが、それ以外の機能は単体の製品として存在していました。
 デジタルオーディオ機器は有効なビットを使い切る状態、つまりできるだけ大きなレベルで使用することが最終のD/Aを上手く使うコツです。

 こうした点を踏まえてDEQXをシステムに組み込む場合の方法について考えてみたいと思います。

インストールレベル

 DEQX社ではDEQXをシステムに組み込んでどのように機能させるかを4つのインストールレベルに分類して提案していますのでご紹介します。

 ・DEQX本体とキャリブレーション用のソフトウェアは共通ですが、DEQXの機能をどこまで利用するかでインストールレベルが決まります.

 ・DEQXの機能をそれぞれの要素として見ると

  A.プリアンプ機能(インプットセレクターとボリューム機能)
  B.D/A機能(24bit-192kHzの高精度DAC)
  C.Media Correction機能(100通りのEQを記憶し,呼び出す機能))
  D.Room Correction機能(室内の音響特性を補正する機能)
  E.Speaker Correction機能(スピーカーの特性を補正する機能)
  F.Activ Linear Phase Mains Crossover機能(チャンネルデバイダー)
  G.Subwoofer/Bass MaNamimigement機能(サブウーファ対応機能)
 という7つに分類できます.

 ・これらのどの機能を使ってシステムを組むかが
インストールレベルです.

 ・レベルの分類としては

 1.Basic Lebel(基本レベル)
 2.Basic + Room Correction Level(基本+室内音響特性の補正)
 3.Mid Level(中間レベル)
 4.DEQX HD Definition Level(高精度レベル)
   という4段階になります.

まず、第一段階のBasic Levelは次のようなシステムの場合にあたります。
  チェック項目はそれぞれのレベルで使用されるDEQXの各機能を示します.

 


 
この例は入力切り替えと出力のボリューム、そして高精度なD/Aコンバーターを備えたプリアンプとして利用する場合です。
 このレベルでのメリットはシンプルで高性能なプリアンプとしてDEQXを機能させるとともに、メディアコレクションと呼ぶ100通りのイコライザー機能を使ってそれぞれのプログラムを好みの音質に調整できることです。そして将来のシステムアップに向けた準備段階となります.

2番目はBasic Lebelと同じシステム構成でDEQXのルームコレクション機能を利用してリスニングルームの定在波を補正した場合となります.

3番目はさらにスピーカー補正機能を利用した場合です.

<2と3のインストールレベルで使用する機能>
2.Basic + Room Correction 3.Mid Level
Features used in this mode

□ Subwoofer / Bass Management
□ Active Linear Phase Mains Crossover
□ Speaker Correction
■ Room Correction
■ Media Correction
■ Digital Analog Conversion

■ Pre-amp
Features used in this mode

□ Subwoofer / Bass Management
□ Active Linear Phase Mains Crossover
■ Speaker Correction
■ Room Correction
■ Media Correction
■ Digital Analog Conversion

■ Pre-amp

 このレベルまではフルレンジのスピーカーシステムや、LCネットワーク内蔵のスピーカーシステムを1台のパワーアンプでドライブするシングルアンプ方式として使用する場合となります。

4番目の「DEQX HD Definition Lebel」は図のようにチャンネルデバイダーとベースマネージメント機能を利用したフル機能システムとなります. (一般的な3Wayマルチアンプ方式も同様です)

 

 この構成でLCネットワーク内蔵型のスピーカーシステムを使用する場合は、各帯域を切り離して接続できる、バイアンプあるいはトライアンプ接続が可能な製品でなければなりません.

LCネットワークをそのまま使用する場合はDEQX側のクロスオーバーもこの設計値に沿った周波数に合わせる事が基本となります.

スロープ特性については最大300dB/octまでの急峻なフィルターを備えるDEQXの機能を併用することでLCネットワークの負担を大幅に軽減すると共に,各ユニットに必要な帯域のみで動作させることがが可能となります.

最終的にはスピーカーシステムに内蔵されているLCネットワークをバイパスするかまたは取り除いて各スピーカーユニットをダイレクトにパワーアンプで駆動することが最高のパフォーマンスを発揮する方式となります.

自作のスピーカーシステムをマルチアンプ方式で構成される場合はこの方式を採用することでLCネットワークによる様々な制約や弊害から解放され、各ユニットの性能を100%発揮させることが可能となります。

例えばDEQXは、多くのホーン型のユニットが持っている特有の音色(クセ)を取り去り、本来の持ち味である「音の粒立ち」や「滑らかさ」が融合した,音離れの良い魅力的なサウンドを引き出すことができます.

DEQXを導入された多くのユーザーから「あきらめていたホーンスピーカーからこんなにも自然で魅力的な音が得られるとは思ってもいなかった」という嬉しい感想を多数頂いています.


システム構築の具体例DEQX System Install