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User's Report
No. ユーザー DEQXの導入機種とシステムの特長 掲載時期
111 埼玉県 GM氏 HDP-5 / DEQX-Amp / Roon / マルチアンプ駆動のB&W 2019年9月

< ネットワークをバイパスして3Wayマルチアンプ方式で駆動される B&W Nautilus 802 >


< ↑↑↑ ON-マウスで従来のシステムが見えます  ↑↑↑ >

→ 今回のマルチアンプ方式の拡大図

→ 従来のシングルアンプ方式拡大図

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■ 感 想 文
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・ 前回(2017年5月-No.91)のHDP-4をベースにしたシステムから大幅に変更しました。

・ DEQXはクリズラボ推奨のネットワークオーディオ(Roon)と相性が良いという新型のHDP-5です。

・ そして、秘策としてスピーカーのネットワークを外した本格的なマルチアンプ駆動に改造して貰いました。

・ 今まで使用していたCDPとアンプを売却し、スピーカー(B&W)だけを残すという大変更となりました。

・ また、新兵器(試作品?)という特注のアッテネーターも入れて貰うプランでスタートしました。

・ 結果的にはこのアッテネータの導入で圧倒的な静寂から浮かび上がるクリアな音像が実現しました。

・ 最後に、室内音響的にもいろいろいじってもらい、今回は全体として驚くべき変貌を遂げました。


< システムの背面にヤマハ製の音響ボードを4枚と四隅にarte(アルテ)のCOLUMN(拡散と吸音)を配置 >


< 左側のラックにはRoonのサーバーとリッピング用PC >  < 右側にDEQXと試作品のパッシブ型アッテネーター >

・ 最終の音響調整時にお願いしてクリズラボ推奨の標準モード以外に3つのパターンを作って貰いました。

P0:クリズラボ推奨の標準モード
P1:ロック用低音域強化モード
P2:ボーカルくっきりモード
P3:小音量用ラウドネスモード

・ この4つのモードを聴き比べながら楽しんでいます。

・ 結果的には様々なジャンルの音楽がどれかにはまる感じとなり、とても満足しています。

・ Roon用のタブレット画面に触れるだけで頑張ってリッピングした1,200枚のCDがいつも待ってくれています。

・ オーディオシステムはもちろん、PC的な問題も栗原さんの迅速対応で解決していただけます。

・ システムには無頓着な私ですが、これからも安心して音楽ライフを満喫できそうです。


< アコースティックとDEQXによるチューニングを完了したシステムの全景 >

・ 今回の結果は大満足ですが、いずれはいろいろと改良していきたくなる予感があります。(笑)

・ しかし、今回の完成度なら当面(1〜2年?)は大丈夫な気もしますが ・・・・・


< 前回のチューンから4年、新築の家にオーディオルームを造られたGK氏 >

・ とにかくこの度はありがとうございました。

埼玉県のGKより




◆ 調整を終えて(Kurizz-Labo)

・ 今回はL/Cネットワークのバイパス工事もあるため、午前10時から作業を開始させて頂きました。

・ 事前に用意した6本のスピーカーケーブルで各ユニットからダイレクトに配線を引き出します。


< 今回はネットワークのバイパス工事からスタート >    < 2セット分のバイパス工事で早くも2時間が経過 >

・ 接続を終えたユニットの動作をクリズラボ製の導通チェッカー(下図)で一本ずつ確認しながら進めます。


< クリズラボ製SPチェッカー >         < 単三電池1本と抵抗1個の最強テスター >

・ バイパス工事が完了。全ての再生装置をセットして午後1時頃からDEQXの設定作業に入ります。


      < 全ての機器をセットアップ >          < 各ユニットのレベルをDEQX内部のスイッチで調整 >

・ 最初に出来るだけ良い条件でスピーカーの測定を行い、その結果から補正フィルターを生成します。

・ 次にDEQXの基本的な使い方を決定するConfigurationを設定し、データーをDEQXに転送。

・ その後、ルーム測定と補正を行いながら音響パネルの置き方なども決めていきます。

・ 最後はGM氏所有の1,200枚のCDがお好みの音色で楽しめる3種類のモードを設定して完了です。


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■ 測定結果
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・ 全くの偶然ですが、L/CネットワークをバイパスしたB&W802を立て続けに2セット測定しました。


< 今回のスピーカーの特性(3Way)>       < 前々回登場のB&W802の特性(3Way)>

・ 測定条件はほぼ同じなのですが、よく見ると各ユニットの特性がかなり異なる印象があります。


< GM氏のウーファーユニットの特性 >            < TK氏のウーファーユニットの特性 >

・ ウーファーの特性を比べるとGM氏のユニットには高域の共振が見えません


< GM氏のツィーターユニットの特性 >            < TK氏のツィーターユニットの特性 >

・ 同様に、ツィーターでもGM氏のものは高域の共振が見えません

・ GM氏から、私の802は最初期の製品で現在のものとは異なるようです。とのお話があり納得です。

・ 同じB&Wの802でも使用ユニットには様々な変遷があるようです。

・ 多くのB&Wスピーカーを聴いてきましたが、全てが見事にB&Wサウンドを奏でているのはさすがです。

・ スピーカー補正が完了するとDEQX調整の最終段階となる部屋の音響特性の補正をします。


< 補正後のスピーカーで測定信号を再生し、リスニングポジションで測定した周波数特性 >

・ 低域のピークやディップの大部分と200Hz以上の凸凹な特性は部屋の影響と考えることが出来ます。


< ルームEQを駆使しては全帯域のフラットネスを確保した状態 >

・ ルーム補正では最初に クリズラボ推奨の標準特性 に補正します。

・ 高域はドーム型ユニットの特性を考慮して意図的に緩やかに下降させています。

・ 完成したルームEQの情報はP0(プロファイルの0番)にセットしました。

・ 次に、このP0をベースにGM氏のご希望でP1〜P3に特色のある再生特性をセットします。

・ DEQXは音楽を聴きながらパソコン画面でEQを変化させて自在に音色を変化させることが出来ます。

・ 例えば、1950年代のJAZZの名盤を貴方のシステムで魅力的に鳴らしてみませんか。

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■ デジタル機器とアッテネーター
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・ 今回、試作品の6chのATT(アッテネーター:音量調整器)をお使い頂きました。

・ 冒頭の図にある「Passive ATT」がそれで、DEQXの出力を絞って音量を調整する装置です。

・ DEQXには音量調整機能があるのでATTがなくても困ることはありません。

・ ではなぜわざわざ ・・・・

・ GM氏が、「アッテネータの導入で圧倒的な静寂から浮かび上がるクリアな音像が実現しました。」

・ と、述べられています。

・ まさに、この感想がATTを利用した場合の効果を最も端的に表現されていると思います。


< DEQX用に試作したATTの本体とリモコン >     < DEQXと同じ配置のコネクターを装備した背面 >

・ ATTはデジタル機器の弱点を救済し、能力を最大現に発揮させるデジタル時代の救世主なのです。


◆ デジタルオーディオの利点と弱点

・ デジタル機器の性能(音質)を考えるときの一つの大きなポイントは動作レベルです。

・ レベルが極端に小さいか、または大き過ぎると問題が生じます。

・ 小さいレベルの問題が顕在化するのはデジタル信号を大幅に絞った場合です。

・ 16ビットのCDは音楽の記録と再生には必要十分なクォリティを持っています。

・ しかし、このデジタル信号を絞ってしまうと小さな音が雑音の影響を受けるようになります。


・ レベルが大きい場合はどうでしょうか。

・ デジタル信号はFull bit(フルビット)以上の大きな音は存在できません。

・ 大きい音で歪みが目立つようなCDは限界を超えたレベルで記録された場合がほとんどです。

・ このようなCDが意外に多く存在しているのも事実で、正直驚いてしまいます。


・ デジタル信号はそのまま扱う限りレベルの大小に起因する問題が新たに発生することはありません。

・ 重要なのは、「デジタル信号をそのまま扱う」と言うところです。

・ PCMなどのデジタル信号処理技術は著作権保護が必要なほど劣化しない特性を持っています。

・ しかしこれもデジタル機器の最終段にあるDAC(デジタル-アナログ変換器)に入るまでの話です。

・ DACは小レベルのデジタルノイズが実際に音として現れる部分なのです。

・ 従ってDACにはそのままの元気なデジタル信号を入れると最良の音が手に入ることになります。


・ 大半のCDプレーヤーのアナログ出力はこの状態となっています。

・ もしこのCDプレーヤーの出力(通常2V程度)をメインアンプに直結するとどうなるでしょうか。

・ CDを再生した途端にパワーアンプが大出力を放って部屋に爆音が響き渡ることになります。


・ そこで登場するのが音量を下げるためのATTです。

・ CDプレーヤーとパワーアンプの間にATTを入れただけの限りなくシンプルなシステムも存在します。

・ このATTに求められるのは、音質劣化がなくスムースな音量調整が出来ることです。

・ コイルやトランス、コンデンサーや抵抗などの回路素子で音質への影響が最も少ないのは抵抗です。

・ 今回はこの抵抗だけで構成するATTを試作し、GM氏のシステムで採用して頂きました。


・ 結果は感想文に示された通りですが、この効果をもたらした主な要因が二つあります。

・ 一つはDEQXのボリュームを最大にすることでDACをベストな状態で動作させることが出来たことです。

・ そして、DAC以降で発生する雑音はATTを絞った分だけ減衰し、静寂性が大きく向上したことです。

・ この二つの効果で 「圧倒的な静寂から浮かび上がるクリアな音像」 が実現したのです

・ また、付加的な効能としてはATT前の機器が故障してもスピーカーからの爆音が出ずに済みます。



< 抵抗器だけで構成されたパッシブ型アッテネーター >        < 背面側から見た内部の様子 >


・ 今回試作したATTはL/Rのレベルが別々に調整できるなどの高機能なものとなっています。

・ 現在、ATT機能のみに特化したよりシンプルな製品を開発中です。

・ 完成したら改めてご紹介したいと思いますのでご期待下さい。


クリズラボ:栗原




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