■ DEQXを導入され、ご了解頂いた方々のシステムと試聴リポートを掲載させて頂きました.
■ また、デモなどでDEQXの音を聴いて頂いた方々の感想をそのまま掲載させて頂きました.



最新情報2013年7月6日:埼玉県TY氏のHDP-3導入記

(2013年7月7日掲載)

■ オール自作BOXによる3WayシステムにDEQXのHDP-3が入りました。

 

          < オール自作BOXの3Wyaシステム:7月6日の最終システム >

 
                < HDP-3導入時のシステム提案図 >

■ 当初は、Fostex W300A II、YAMAH JA-0801/JA-0513、Pioneer PT-R7 IIIの4Way。
■ 最後は、Fostex W300A II、YAMAH JA-0801、Scan Speak R2904/700000の3Way。
■ 先月末にメールを頂き、その日の内に導入を決定されました。
  決定時のメールに次のような愉快な一文がありましたので、内緒で掲載します。

  女房が時折、軽井沢(アウトレットなど)に行きたがるので車で連れて行きます。
  いつも国道18号を通るたびに「この辺にKurizz-Laboが・・・」なんて思いながら走っていました。
  最近は上野駅で峠の釜飯を見るとそれがDEQXに見えるようになってきました・・・


■ 峠の釜飯とDEQXの類似性については次の機会に伺うことにして、頂いた感想文をご覧下さい。

   
以下、TY氏のレポートです。
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前のシステムと比較しろと言われても答えられません。
  頑張って説明しても、バラバラなユニットが一体となって鳴っているという程度です。
  低域から高域まで時間差と音色差がありません。

  何を聞いても「良い音」だとか、「何がどうした」とか、言葉が浮かんで来ません。。
  とにかく普通に音楽が鳴っている感じです。
  オーディオの泥沼が急に枯れて真ん中にボーっと立たされているように思えます。

  これまで何をやっていたのだろう。
  また今後、どうすればいいのだろうか。
  不思議な感覚です。

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小学校入学当初から機械ものが大好きで、ごみ捨て場で家電製品などを見つけると、家に持って帰って分解していました。

当時は白黒テレビ、ラジオ、生活家電などが沢山捨てられており、小生にとっては宝の山でした。
  自分でラジオなどを組み立てる「ラジオ少年」には遠く及びませんでしたが、工作は大好きでした。

そんな少年時代、かつて父が使っていた山水のレシーバー(たぶんSM-30)とニートのプレーヤを物置で発見し、引っ張り出して音を出したのが小生にとってのオーディオの始まりです。
  「オーディオ沼(泥沼)」の畔に立った瞬間です。

小学校6年生の時、たまたま立ち読みしたStereo誌で長岡鉄男先生のバックロードホーン製作の記事を発見しました。
  「三次元に定位する」など信じられないことが書いてあったので、強く興味を持ちました。

その頃、うちに出入りしていた大工さんがオーディオ好きであったこともあり、長岡式バックロードの製作を決意しました。
  その大工さんに合板を切ってもらい組み立ては自分でしましたが、初めてのスピーカ工作でバックロードは難易度が高すぎました。
  空気漏れだらけで、3、4年はそのまま使っていましたが、その後、作り直しましたところ、「ホーンロードがちゃんとかかった!」と低レベルな感動に浸ったものでした。

大学は電子系の学科に進学しましたが、志望動機は「こだわりはないが、自分でアンプでも設計できるようになれれば・・・」という不純なものでした。
  しかし大学入学後は皮肉にもオーディオにほとんど触れなくなりました。
  大学卒業後も10年くらいはそんな状態でしたが、ある日リサイクルショップで名器NS-1000Mに出会いました。
  タダ同然の値付けで、かつ、自分の憧れのスピーカだったので「鳴らなくてもいい!」との思いで購入しました。
 でも、ちゃんと音がでました。このときオーディオの泥沼に踏み入ってしまったようです。

NS-1000Mをうまく鳴らすために、一般的な感覚では超高価なアンプ(=最近のオーディオ界で言えば入門機程度ですが)を買ったり、ネットワークや箱を改造したりが始まりました。

  さらにウーハユニットを交換し、箱とチャンネルデバイダー(もちろんアナログ)を自作し、気が付いたらNS-1000Mの原形が無くなっていました。

何かが改善できると、また別の問題が浮上し、一度は良いと思ってもしばらくすると欠点が見えてくる・・・。
  オーディオの泥沼、しかもその深みにはまってしまいました。

システムに自作品が入ってくると、弄れるパラメータが格段に増えるため、格段に収拾がつかなくなることがあります。
  また、ネットワークの調整などもLC方式はもちろん、アナログアンプ方式でも素子を多数揃えるなど、それなりの出費となるため、いっそのことメーカー製スピーカを買ってしまおうかと思ったこともあります。

しかしながら不満が明確になれば、紆余曲折しながらも弄っているうちに改善に向かうもので、格闘の末、まぁこんなものかな、と思えるレベルには達しました(ここに他人の判断はありません)。
  同時に、これ以上やっても劇的な改善は無理だろうとも感じ始めていました。

 
                 <DEQX導入前のシステム全景>

そう思っていたときに、Kurizz Labのホームページで中古格安のDEQXを見つけました。
  DEQXのことは以前から気になっていましたが、なかなか踏み出せないでいました。
  しかし今回の価格であれば何がどうなっても出費以上の効果が得られるでしょうし、所有しているプリアンプを処分すれば追加出費なしで導入できます。
  なにより、限界を感じていた状況でさらなる改善を望むにはDEQXが不可欠と考え導入に踏み切りました。

ネット上の情報などから、DEQX導入にあたってはKurizz Lab最高経営責任者の栗原様による調整がなければ価値が半減すると考えていました。

すると、中古であっても初回調整を無料で行っていただけるとのことは購入に踏み切れた要因として大きかったと思います。
  (小生のシステムは超個人的なもので、超オーディオマニアを多数ご存知の栗原様(もちろんご自身も)に見て頂くことに若干の抵抗はありましたが・・・)

小生のシステムは、ウーハ用にアキュフェーズA-60を1台、ミッドレンジ+ツイータ用に同社A-20を1台使用していました。
  チャンネルデバイダは550Hz/24dB/octのアクティブフィルタで、ミッドレンジとツイータは4.5kHz、18dB/octのLCフィルタでした。
  ミッドとツイータはNS-1000Mから取り外したものを使用し、ウーハはフォステクスのW300AIIです。

   
      <自作のchデバイダー>               <Pioneer PT-R7 III>

当初、このチャンネルデバイダとプリアンプをDEQXに置き換える計画でした。しかし栗原様のメールの中に「いずれは3Wayマルチに発展・・・・も視野に」という文言が書かれていました。

これには心が動かされました・・・。
  ベリリウム振動板を持つミッドレンジの不要帯域を急峻なスロープで遮断すればより素直な音になるに違いないし、また、これはDEQXだからできる技です。
 これをやらないと宝の持ち腐れとも思えてしまいました。

そして、せっかく栗原様に調整して頂くのに、中途半端な使い方ではもったいないとも考え、急きょA-20を追加することにしました(中古で安価だったので買えました)。
  このため、調整当日はアンプ3台の3wayマルチアンプ構成でお願いすることにしました。
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調整当日、栗原様は手際よくマイク等をセットして、小生に説明をしながら様々な計測をされていきます。

まずはスピーカシステム自体の計測ですが、ここで早速トラブルが発生しました。

左chの測定を終えて、右chのスピーカーに測定用の信号を入れ、ツィーターから音がでた途端に、異変に気が付きました。左chにはなかったビビり(ひずみ)が聞こえるのです。

音が出た瞬間、「左右がこんなに違うものか」と思いましたが、栗原様はユニットが壊れていると瞬時に判断し「本日の調整はこれにて終了か・・・」と思われたようです。

1週間前までこのスピーカで聞いていましたが、恥ずかしながら気づきませんでした(でもf特はそんなに変ではありません。不思議な感じです。)。
  しかし幸運にも同じYAMAHAのツイータと、Scan SpeakのR2904/700000というユニットの手持ちがありましたので調整を断念せずに済みました。

   
      <YAMAHA JA-0513>           
Scan Speak R2904/700000

余談ですが、Scan Speakのユニットは、今話題の
異次元の金融緩和の前、超円高時代に便乗して格安で衝動買いしてあったものです。

栗原様と相談して「こっちの方が面白いのでは」となり、ここでスピーカ構成が変更になりました。

この一件で、ばらばらだったそれぞれのユニットが更にバラバラになりました。
  発売時期やメーカーは当然ですが、マグネットも、アルニコ、フェライト、ネオジウム。
  振動板も、紙とベリリュームとリング状のソフトドーム。
  思わぬ仕切り直しで、異次元の新しいシステムを構築することになりました。

ここまでに2時間近い時間を費やしてしまいましたが、その後は未知のシステムにも関わらず栗原様はスイスイとシステムを作っていきます。

   
   <YAMAHA JA-0801 と Scan Speak R2904/700000、ウーファーはFostex W300A II>

そして1時間後、何事もなかったように普通に音楽が鳴り出しました。

この「普通」が問題で、これを簡単には説明できません。

今まで理想を追いかけてシステムを調整したというより、気になる点(欠陥)を少しずつ潰してきたという感じです。

しかし、今、目の前のシステムには気になる点が見つからないのです。
  最低音の部分、もしかするとバスレフの音?にDEQX導入前の特徴が若干伺える程度で、文句が付けられないのです。

文句が言えないから、これを良い音と言うのか・・・・・・・
  自分自身に判断基準がなく、少々困ってしまいました。

 
               <DEQX導入後のアンプとスピーカーシステム>

■ 前のシステムと比較しろと言われても答えられません。
  頑張って説明しても、バラバラなユニットが一体となって鳴っているという程度です。
  低域から高域まで時間差と音色差がありません。

  何を聞いても「良い音」だとか、「何がどうした」とか、言葉が浮かんで来ません。。
  とにかく普通に音楽が鳴っている感じです。
  オーディオの泥沼が急に枯れて、真ん中にボーっと立たされているように思えます。

  これまで何をやっていたのだろう。
  また今後、どうすればいいのだろうか。
  不思議な感覚です。


 
   <YAMAHAのGT-2000 マランツのCDP YAMAHAのネットオーディオ DEQXのHDP-3>

もうしばらく聴き込めば、欠点というか特徴が見いだせ、もうちょっとまともな感想が言えるかもしれません。

その時はまた報告致します。しかし、また沼が満たされて泥沼化するのも問題ですが・・・・・

最後になってしまいましたが、ユニットのトラブルでは本当にご面倒をお掛けしました。
  それにも関わらず、短時間で
異次元の音を作って頂き本当にありがとうございました。
  僅か半日程度で新しいシステムが出来上がってしまうとは、驚きと感謝で一杯です。

家族も栗原様と楽しいお話ができて喜んでおりました。今後もいろいろと相談させていただくかと思いますがよろしくお願いいたします。

                                            埼玉のTY。

   

■ 昨日の今日という、超特急のレポート、ありがとうございました。
■ 機械好きが高じてオーディオの道(=泥沼)に・・・・・実は私もそうでした。
■ 卒業後しばしの休息。そして、NS-1000Mを手に入れたのが運の尽き。再び泥沼へ。
■ 1000Mを骨の髄までかじって、一区切りついたのに、DEQXの中古販売が・・・・・スイマセン。
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■ 右chのツィーターがNGと判った瞬間、午前11時でしたが、「また来ます。」と言いかけました。
■ すると押入から代替のユニットが、しかも、
Scan Speakのユニットまで出てきました。
■ これでは帰れません。仕切り直しですが、好きなユニットの登場でテンションが上がります。
■ 結果は・・・・
■ 調整当日は既に新システムに変更されていてオリジナルシステムの音は聴けませんでした。
■ そのため、私自身、新旧の比較はできませんでしたが、結果としては全く性格の異なる3つのユニットが見事に一つのハーモニーを生み出しました。
  その要因は、裸特性が優れたユニットを最大限に活かせた成果ではないか思います。
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■ 調整に行き詰まり、一度は自作をあきらめて完成品の世界に・・・
■ でも、今回、ご一緒に調整をする中で、あらゆる場面において、音に対する極めて適切な感想を頂きました。
■ これは自作システムで多くの苦労と経験を積まれた証だと思います。
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■ オーディオの泥沼は一度乾燥しても、再び泥沼化しますので、その点はご心配なく。(笑)

■ ご一家あげての歓待、本当にありがとうございました。

                    Kurizz-Labo店主:栗原

   

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