DEQXを設定する作業は自動車をはじめて運転するのと似ているかもしれません。
私が初めて運転席に座った45年ほど前(中学生でした)、父親が「これが前輪の方向を変えるハンドル、これがアクセル、 これがブレーキ、これがクラッチ、これがギヤシフトレバー・・・・・・」と、それぞれの役割を説明してくれました。
クラッチを踏んでギヤーをローに入れ、アクセルを踏み込みながら同時にクラッチを離す・・・・何回やってもエンストです。1に練習、2に練習、3、4、がなくて5に練習でした。やがてバックの車庫入れ、ギヤシフト、カーブの曲がり方などに慣れ、エンジン回転数とギヤ比の関係、エンジンブレーキの使い方等々が解ってくるとある程度自動車を自在に操れるようになりました。
DEQXの場合も、測定用のマイクロフォン、測定用信号、音響的なS/N比、測定データ、インパルス応答、バターワースやリンクウィッツライリーフィルター、補正データ、定在波、パラメトリックEQ、等々、あまり馴染みのない用語が目に付くかもしれません
でも、これらの用語も知ってしまえば、アクセルやブレーキと同じです。そしてアクセルやブレーキは必ずしも詳細な原理や構造を知らなくても使えるのと同じで、DEQXの場合もマニュアルに沿って一通り実施していただければ、DEQXの機能を発揮させることが可能です。
そして、アクセルやブレーキの構造や性質が判ると、坂道の安全な下り方や、燃費の良い走り方、障害時の対処方法などが出来るようになります。
DEQXも最初はマニュアル通りに各種の設定を行っていただき、音楽を楽しみながら、順次各機能の意味や役割を理解することで、サウンドのクォリティを決定するスピーカーと、室内の特性を自在にコントロールして貴方の再生装置から無限の可能性を引き出して下さい。
貴方の装置の調教師は貴方です。もう遠回りはしません。良質なサウンドへの本質的で直線的なアプローチで、貴方のサウンドを手に入れましょう。
|