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No. ユーザー DEQXの導入機種とシステムの特長 掲載時期
108 長野県 AK氏 PDC-2.6Pの導入から5年、ピアノを撤去して念願の初回調整を実施 2019年5月

< 楽器の練習が可能な防音構造の部屋からピアノが撤去され、オーディオの調整を実施 >


< 中域を2インチドライバーに変更したJBL-4333を完全マルチアンプで駆動 >


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■ 感 想 文
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・ 最初に、以前から左右の低音の質の違いに違和感はあったのですが左側のウーハ取り付けネジの緩みが
原因だったことを発見していただきました。

・ スピーカーユニットを測定していた時、ウーファーからの測定信号の音に異常を指摘されました。

・ 最初、その音がユニットからの歪音だとは分かりませんでした。


< 防音と吸音処理でややデッドになった部屋を拡散板で響きをチューニングされています >

・ そういえば二年ほど前、マルチアンプ化するときウーハーを取り外して結線を直接引き出して以来、
ユニットを固定するねじのマス締めはしていませんでした。

・ ちなみにサックスにはネジが沢山使われていますが、締め具合で吹き心地が大きく変わります。

・ そのため一部のネジは敢えてきつくは締めませんが、SPユニットはしっかり締めた方が良さそうです。


< 以前は楽器の練習をDATで録音。今は4chのハンディレコーダーを使用されているとのこと >

・ 次に、自分の測定でも左右のユニットのレベル差が気になっていました。

・ 今回の測定で、中音と高音用アンプのボリュームの位置によってレベル差が変化することが判りました。

・ 原因は不明ですがとりあえずこの状態でDEQXの補正機能でなんとかまとめていただきました。

・ また、今まではチャンデバの周波数分割は700Hzと7kHz位にしていました。

・ SPユニットの実測結果からもう少し下げられると判断され、今回は低域側を500Hzに設定されました。

・ 700Hzだと何枚かのCDでサックスがきつく聞こえるころがありましたた、今回の変更で全く気にならなくなり、
とてもバランスの良い音になりました。

・ 今はこの状態で触りたくない(笑)と思っています。


< 練習の成果や音楽ソースは全てパソコンのUSBからX-DDC Reserveを経由して再生 >

・ 今回の調整作業を拝見し、なるほどと感心することが多々ありました。

・ 私自身が一連の作業を見よう見まねて実施するよりも、音楽の演奏や聴取に集中する方が良さそうです。

・ 当面は設定して頂いたDEQXのプロファイルを切り替えて楽しんで行こうと思っています。

・・・・実は、そう思いながらもプロファイルの一つ「P-0」で遊んでみました。

・ また、ご自由にどうぞと言われた「P-3」を昔録音したカセットテープ用に調整してみました。


< DEQX社の250W+250W\アンプとエーワイ電子の5W+5Wアンプ2台でドライブ >


・ 今回の来宅による一連の作業を見ているとDEQXの調整をお任せすることのメリットを感じています。

・ いずれは痛んできたウーハーのエッジ修理などが必要になります。

・ そして、アンプやユニットの変更時には改めてDEQX調整を依頼したいと思いました。

・ もちろん有料だと思いますが(笑)末永くよろしくお願いいたします。

長野県のAKより




◆ 調整を終えて(Kurizz-Labo)

・ スピーカーの測定中、左側ウーファーから瞬間的な雑音が出る事に気がつきました。

・ DEQXの測定信号はログスイープ ※1信号で、10Hzから40kHzまでが1秒程度で出力されます。
※1 一定時間における周波数のスイープ幅が、倍、倍と変化しながら出力される状態

・ 特定の周波数のみで起きる異音などは一瞬で通過してしまい、特定は困難です。

・ そこで、確認のため手元のiPhoneをオシレーターにして原因の調査をしてみました。

・ 結果は125Hz付近でウーファーユニットから異音(ビリつき音)が発生している事が判りました。

・ 異音が出ている状態でユニットのフレームに触ると状態が大幅に変化します。

・ もしや・・・

・ ドライバー(ネジ回しです)をお借りして取付ビス(8本)をしっかり締め直すと見事に解決。

・ 二人で顔を見合わせてにっこり。

・ ここで活躍したのが下の発信器です。


< iPhoneがオシレーターに変身 >        < イヤホン端子から出力を取り出してアンプに接続 >

・ iPhoneやiPadにアプリ(Audio Tools:有料)を入れるだけで発振器や測定器になります。

・ サインウェーブや矩形波の場合、5Hz〜21kHzまで1Hz単位で設定出来ます

・ 出力レベルは5Hz〜1kHzまでフラット、それ以上は10kHzで-3.5dB程度まで下降 ※2します。
※2 イヤホン端子(アナログ出力)の場合で、デジタル出力では全帯域でフラットです

・ この発振器を使うことでSPシステムの異常や部屋の定在波、壁や家具の共振などが判ります。

・ 具体的には5Hzから500Hzまで多少大きめの音で変化させ、異音が生じないか注意深く聞きます。


< 調整後、AKさんが私にサックスの吹き方を即席で教えてくれました。ヤバイ、やみつきに・・・・ >

・ L/Cネットワークをパスしてスピーカーユニットからダイレクトにパワーアンプに接続されたJBL-4333。

・ 今回の調整に伺う前、既にご自身でスピーカーを測定し、調整されていました。

・ 当日、調整前にクリズラボの標準音源を聴くと僅かなクセは感じましたが完成度の高さを感じました。

・ 調整開始直後にウーファーの異音トラブルを発見した以外に問題はなく順調にDEQX調整が完了。

・ 帰宅時間までの30分でAK氏からサキソフォンの音の出し方を教えて頂きました。(上の写真)

・ ピアノ、ギター、サックス、何か一つでも・・・・せめて夢の中で!


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■ 測定結果
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[図1]スピーカーの測定結果

・ ツィーターの高域特性がやや物足りない以外は大変良好な特性です。

・ そして、この段階ではL/Rの特性が良く揃っています。



[図2]壁の反射を排除した各スピーカーユニットの特性

・ 壁の反射音を除いて直接音を取り出すとL/R間のレベル差が3〜4dBあります。

・ 念のためにMidとHighのアンプゲインを下げるとレベル差が更に大きくなりました。

・ レベル以外の特性は比較的合っているのでユニットは問題なさそうです。

・ アンプのゲイン差や壁の影響が大きいと思われます。

・ DEQXはこのレベル差も補正しますので、とりあえずはこのまま進めます。


[図3]補正したスピーカーで測定信号を出し、リスニングポジションで測定した特性

・ 特性を俯瞰すると500Hzを中心とした大きな山型の特性となりました。

・ 吸音と反射の壁を持つ、防音された空間がルーム特性として現れている可能性があります。

・ DEQXの調整をする前に感じた「音のクセ」はお部屋の音響特性が影響していると思われます。

・ ルーム補正の出番です。


[図4]スピーカー補正+ルーム補正を終えた聴取位置での周波数特性

・ こちらも結果をやや俯瞰してみると20Hzから20kHzまでフラットになりました。

・ 「音のクセ」がなくなり、様々なソースに対する忠実度が大幅に向上したと感じました。

・ プロファイルの1番に図4を設定し、P-2はサックスが明瞭に出る1950年代JAZZモードを設定。

・ P-3にはAK氏の要望で100Hz付近の低域を若干押さえた特性を設定しました。

・ その後、補正なしの「P-0」で遊び、「P-3」にカセット再生の補正をされたとのこと。

・ これは正にDEQXの醍醐味であり、多くの方にも是非トライして頂きたい部分です。

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・ 今回のDEQX調整に先立ちAK氏からお話がありました。

  ・ オーディオルームはサックスのレッスン(Jamey Aebersoldの教材 ※1など)や練習に使用。
※1 ジェイミー・エーバーソルド:米国、ジャズ教育の第一人者でミュージックマイナスワンの音教材など多数

  ・ こうした事情もあり、試聴位置は特に固定せず立って聴くことも多い。

  ・ つい先日まで部屋にグランドピアノがあり再生環境としてはあまり好ましくなかった。

  ・ 所有者がピアノとともに引っ越したのを期にDEQXの調整をお願いしたい。

・ とのことでした。

・ 昨年末にDEQX社のパワーアンプ(A250×2)も購入され、満を持してのDEQX調整でした。

・ 短時間に調整を終えることが出来ましたが、その後、思わぬレッスンを受け、感謝感激です。

・ AKさん、ありがとうございました。

・ 最後に、システム変更の際は駆けつけますので(有料ですが)、遠慮なくお申し付け下さい。


クリズラボ:栗原



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