■ DEQXを導入され、ご了解頂いた方々のシステムと試聴リポートを掲載させて頂きました.
■ また、デモなどでDEQXの音を聴いて頂いた方々の感想をそのまま掲載させて頂きました.
 
   
    2011年5月11日:東京都日野市、NF氏のDEQX導入リポート    
   
 東京都八王子市にSand Grass(サンドグラス)というオーディオショップがあります。
 ここでは3Wayと20㎝フルレンジユニットの2方式でDEQXの試聴が出来ます。
 登場頂いた日野市のF氏はこのSand GrassでDEQXを試聴され、購入されました。
 今回は特別編としてKurizz-Laboに設置調整の依頼がありましたので、行ってきました。
 事前の準備不足で初日にトラブルが発生。2度のお伺いとなり大変失礼致しました。
 奥様の美味しい手料理と、15才の亀さんにも出会えた楽しい一時を有り難うございました。

   
     F氏のシステムを写真でご紹介します。

   
          <戸建て住宅の1階はオーディオルームのみ。天上も高く、広々としています。>

   
          <オーディオシステム全景。WooferはEVの38㎝にフロントロード型BOX>

   
             <中高域がJBL2450J+2350ホーンの2Wayスピーカーシステム>

   
             <自作2WayLCネットワーク。右手前はトランス式アッテネーター>

   
           <マークレビンソン 23.5L パワーアンプ。A社のプリはPhono EQとして使用。>

   
     導入の3日後に頂いた感想文を掲載させていただきます。    
   
 結論から言えばDEQXの導入には大満足、しかも今後のシステムの様々な改善点も認識することができたのは大きな収穫でした。

 設置の初日、パワーアンプはバランス入力のみでDEQXはRCA出力のみという状態から生じたハプニングがありました。やむを得ず変換ケーブルで接続をしてみたものの、盛大なノイズが発生。私の古いアンプに問題があるのか、あるいは対策のための追加費用が必要になるのか・・・と、内心穏やかではありませんでした。
結果的にはDEQXにオプションのバランス出力ボードを格安で搭載して頂きノイズの問題はあっけなく解消できて本当に良かったです。

 そもそもDEQXのことは1年ほど前に田中伊佐資氏の本で知り、近所のオーディオショップSAND GLASSで試聴出来ることが判りました。そこでこのお店に行って店員でありスピーカーエンジニアでもある後藤氏の協力も頂きながら検討してきました。

 我が家のシステムは極力コストを抑えるため中古かオークションで手に入れたものが大半です。でも、好きな音楽を聴くことは大きな喜びであり、これをさらに良い音で楽しむために今回は一大決心をして私にとってはとても高価なDEQXを買う事にしました。

 ところで、今回のDEQXの導入に当たっては内緒ですが、大きな驚きがありました。
 それは当時本気で作ることを考えた「MJ無線と実験、2008年3月号」に掲載された「完全密閉型ウーファーボックスシステム」の製作記事についてです。
 DEQXの存在を知ってクリズラボ試聴室のシステムをHPで拝見した時「あの雑誌の記事と同じボックスだな」・・と思っていました。
 そこで、DEQXの設置・調整に来た栗原さんに「あの雑誌に出ていた密閉型ボックスは良いですか?」と聞くと、真鍮棒の効果や吸音材の入れ方、入力信号に忠実な音の出方などを活き活きと、まるで自分で考案されたように話しをされました・・・(結構調子の良い人かな・・・??)
 そして翌々日、いろいろな話の中で、実はこの記事を書いた張本人だと判明しました。
 記事のシステムと同じものを使っていても、まさかその筆者とは思わず、話の途中で「この記事、栗原さんも読んだと思いますが・・・」とか、いろいろとチグハグな問答をしてしまい、大変な失礼をしてしまいました。
 このスピーカーボックスは当時何回も記事を読んで絶対作ろうと計画しましたが、時間と先立つものの関係で断念しましたが、今回の件もあり、改めて是非トライしてみたいと思いました。

■ 余談はさておき、今回のDEQX導入に際してはサンドグラスの試聴室にあった高性能で低価格のデジタルアンプ(ラステーム製)を2台導入してマルチアンプ方式にしようとも思いましたが、ショップの後藤氏が我が家のシステムを聴いて、とても良い感じの音なのでこのまま2ウェイのネットワークを使用したシングルアンプ方式でDEQXを導入してみるのも一案、ということから今回のトライとなりました。

DEQXの導入から2日しか経っていませんが、改めて現時点での感想を述べてみます。

まずは高域がスムースに伸びて余分な音が取れた感じがとても印象的です。
 JBLの2450Jとホーンによる高域は8kHzまでしか伸びていないことが判りました。それが18kHzまで帯域が伸びたことと、全体のクセをDEQXが取り去った結果だと思われます。

低域の質感は残念ながら今までとあまり変わりませんでした。
 これは低域の音の出方という意味ですが、フロントロード型バスレフBOX特有の癖だと思います。低域の量感はあるのですが音の切れが不足気味です。こうした音の質感そのものを変えることはDEQXでも難しいとの印象を持ちました。
 スピーカーのユニットやBOXの個性に由来する音の質感はそのまま表れると云った印象で、いよいよ今回話題になったMJ誌掲載の密閉型ボックスに挑戦する必要が出てきた感じです。

現在のDEQXは96kHz動作とのことですが、近いうちに192kHzがでるのでしょうか?
 人の耳にはどこまで解像度の差が分かるのか、高域が伸びたせいか気になった次第です。

定位感が著しく向上しました。
 栗原さんの説明ではスピーカーシステムの位相と群遅延特性が補正された結果とのこと。これはDEQXによる極めて大きな改善ポイントだと感じました。定位の向上に伴って録音による奥行き感の違いが目に見えるように進化しました。

特定のアルバムで気になっていた異様な質感や共鳴するような音がなくなりました。

 とりあえず2日間での試聴結果は以上ですが、今後は自己流でのシステム改善にあたり、音響測定器としてのDEQXの機能や、マルチウェイへの展開にも心強い味方になってくれそうです。それにはまずは使いこなしに時間がかかりそうなので、栗原さん、今後ともご教授よろしくお願い致します。
 そして、今回の導入にあたって、いろいろ楽しい話もお伺いすることもできて、感謝しております。ありがとうございました。
                                            東京都日野市のFより。
   
   
 打ち合わせ不足から初日はとんだご心労をお掛けして申し訳ありませんでした。
 でも、結果的には2度も奥様の手料理を頂けてとてもハッピーでした。
 ここでFさんの疑問についてKurizz-Laboよりお答えしておきます。
 まずDEQXのメインプロセスは96kHzで動作しています。そして、最終段のDACは192kHzのオーバーサンプリングとなっています。これによってDEQXの高域特性は全体として約40kHzまでフラットに伸びています。
 CDの高域は20kHzまで、アナログディスクは減衰しつつ30kHz程度までなのでDEQXの96kHzサンプリング動作ば必要にして十分な高域特性であると思っています。
 もちろん、192kHzサンプリングのマスター音源などがダイレクトにデジタル入力出来れば便利とは思いますが、そうなると次には384kHzにも対応した方が良いわけで・・・かなり高価になりそうです。
 はたしてそのメリットは???
 ただし、録音する場合は可能な限りのハイサンプリング、ハイビットが望ましいのは言うまでもありません。しかし、完成品としてのソフトの入れ物としては現在のCDでも十分だと私は思っています。
 もちろん、これはCDに記録された情報を100%再現できたとしての話で、実はこれが大変難しいのです。
 次に低域の質感に関してですが、これはFさんの言われる通りです。

 無響室などでスピーカーを測定できれば例えば30Hzから補正をすることも可能ですが、リスニングルームでの測定では壁などの反射音があるため、通常は100Hz程度までが測定精度の限界となります。
 そして、例え30Hz以上の帯域が補正が出来たとしてもスピーカーボックスやダクトの共鳴によるシステム固有の音が残るような(音切れの悪さ)影響を全部取り除くことは不可能です。

 まずは電気的にも音響的にもベーシックな物理特性をできる限り整えた上でDEQXによる補正を行うことが最良の結果を得られる近道だと感じています。

● Fさん、早速の感想文、本当に有り難うございました。

   
     ★   ★   ★    
     <2011年2月9日:札幌市、HI氏のDEQX導入リポート>    
     
 札幌のHI氏からKurizz-Laboに問い合わせメールが昨年末の12月30日に届きました。
 
至近距離のためか現在のスピーカーがとてもきつく聞こえる。
 買い換えを予定していたがDEQXを知り、改善出来るか可能性を知りたい。
とのことでした。
 DEQXが必ずご期待に沿えるものと確信します。とご返事をさせていただきました。
 すると、翌31日には早速ご購入希望のメールを戴き、そのスピードに私の方がびっくり。
 正月休み明け早々にDEQX社に発注し、1月23日(日)にはお届けすることが出来ました。
 そして、札幌まで来て貰うには遠すぎるので、測定や設定は自分でやってみます。とのことでした。
 測定方法のお問い合せなどを数回やり取りした後、氏は2月3日から本格的な設定作業に!
 そして、3日後には早くも嬉しい感想文が届きました。

   
     
 HI氏のシステムを写真でご紹介します。

   

            <JMラボのVega2スピーカーを中心としたHI氏のシステム>


   

         <椅子とヤマハのGTラック以外の木工製品は氏の手作りとのこと。>


   
   
 写真と共に送られてきたメールの内容を掲載させていただきました。

   
   
 10年前に自作したDAコンバーターをCDプレーヤーに接続してアナログ信号をDEQXに入れてみましたが、結果はデジタル信号のままDEQXに接続する方が自然で聞きやすい音でした。
 最新型のDACではどうなのか、即断は出来ませんがDAしてADするよりも、デジタル接続の方が良さそうな感じです。
 さて、DEQXを導入して調整も終わったばかりですが、困ったことに既に今後のシステム展開を考え始めています。
 マルチアンプ方式の導入は大変魅力的ですが、バランス入力のメインアンプを3台揃えるのはやや負担が大きいかもしれません。
 現在のスピーカーシステム(JMラボ Vega2)を新調して、ちょっと高めのシングルアンプとするのも候補ですね。そして、もう一度、最新のDAコンバーターなども試してみたい、等々、楽しい悩みはつきません。
 ここ数日でべートーベンの弦楽四重奏や交響曲(運命)、バッハの平均率など、私のメインジャンルであるでクラシックを聴きましたが、バイオリンとピアノは柔らかく、オーケストラは厚みが出て、本物にかなり近付き、もうDEQXは手放せないという感じです。
 次にモバイルではよく聞いているポップス系を聴いてみました。このジャンルは従来のシステムでもそれほど不満はありませんでしたが、手元にあったジャネット・ケイとパンドラを聞いてみると、調整後のフラットの位置が一番ベターでした。
 さらに、DEQXで位相が揃ったせいか、ボーカルの口が小さく、リアルになりました。試しにDEQXの効果をバイパスすると今までは普通に聞けていたはずなのに、今では中高域が勝ってカンカンとした響きに聞こえます。これではポップス系でも外せなくなりそうです。
 今回で基本設定は完了ですが、イコラザーの周波数やQの調整を基本設定の範疇とした場合、応用設定というのはあるのでしょうか。あるとすれば、どのようなものがあるのでしょうか。
 まずはこうしたマニュアルEQでの音作りを楽しみながらDEQXを核にした新たなシステムへの発展など、夢が膨らみます。

   
   
 HIさん、測定や設定のお手伝いが出来ず、申し訳ありません。
 とりあえず基本設定が完了したとのことで、ホッとしております。
 そして、最初のメールでのご質問にDEQXがお応えできたようで安心致しました。
 写真と感想文、ありがとうございました。

   
    ★   ★   ★    
     <2011年2月6日:静岡県、YT氏のDEQX導入リポート>    
   
 静岡県沼津市から8kmほど東にYT氏の住むマンションがあります。
 1月8日の土曜日、カーナビ君に奥深い山中に連れ去られた顛末はブログに書きました。
 
この数日後にYT氏からブラックパネルのHDP-3のご注文をいただきました。
 ブラックパネルは入荷まで少し時間が掛かる心配もありましたが、幸い直ぐに入荷しました。
 氏のご都合で納品と設置調整は2月6日と決まり、その日を迎えました。


   
   
 YT氏のシステムはブログにも記載しましたが、ご提供いただいた写真と共に改めてご紹介します。

   

 前方は音響ボードで適度な拡散性を持たせたお部屋にシステムが設置されています。
 完全に氏のプライベートオーディオルームと言った感じです。

 システム構成は
  ◆ CDプレイヤー:リン CD12
  ◆ プリアンプ   :マークレビンソン No.32L
  ◆ メインアンプ  :リン クライマックス ソロ
  ◆ スピーカー  :ウイルソンオーディオ System 5

   

 そして、プリアンプの電源(制御)に乗っているのがブラックパネルのHDP-3です。
 HDP-3はプリアンプ内蔵タイプですが、YT氏は当面プリの音質も活かしたいとのことでした。


   
   
 デモの時にはスピーカーを通常の設置状態(上の写真)で測定しましたが、今回は思い切って隣室の広いダイニングルームに移動しました。
 上下を合わせると65kgとなるSystem 5の移動は大変ですが、一度測定しておけばそのデータがずっと使えますので、この際思い切って提案し、男4人での移動となりました。
 測定データは努力の結果を示すものとなりました。


 [図1] デモの時にそのままの状態で測定したスピーカーの周波数特性(反射音を含まないデータ)


 [図2] スピーカーを移動して広いリビングで測定した場合の周波数特性(反射音を含まないデータ)

 両方の図で赤い線の枠内(100Hzから1kHz)に注目して下さい。
 図1では1kHz以下が一本調子で下がっていますが、図2は明らかに異なったデータとなっています。
 これは直接音に対して反射音がどの程度の時間差があるかでデータの精度が決定されます。
 100Hz以下は元々無響室などの環境以外では有効なデータは得られません。
 逆に聴感上極めて重要な100Hz以上の帯域はしっかりしたデータを取ることが重要です。
 スピーカーを移動するのは困難な場合が多いと思いますが、力と努力と時間さえあれば可能です。
 目安としては反射波が9ms以下に出てしまうようでしたら測定環境を見直す方が良いでしょう。

 それでは、昨夜遅く頂いたメールから氏の率直な感想を掲載させていただきます。

   
   
 昨日は本当にありがとうございました。
■ 今日、帰宅してから改めてじっくりと聴きました。
■ ピントのあった定位、今まで隠されていた微細な情報などを確認することができました。
■ 今正に、喜びと驚きの真っ最中です。

■ 
DEQXは部屋の容積不足や定在波による低音過多を解消させるのが一番の目的でした。
■ 結果はそれをはるかに上回る、大きな効果が得られました。

■ この部屋でやっとフラットな音に出会えた瞬間でもあります。
■ これで、オーディオもやっと基本の位置に立てた、そんな風に感じました。

■ 今回はデモも含めて、遠方からの設置・調整など、大変感謝しております。
■ そして、これからもよろしくお願いいたします。


   
   
 YTさん、こちらこそ、ありがとうございました。そして島元社長、ありがとうございました。

   
   
 
YT氏のDEQX導入による改善効果についての特別レポート(2011年2月12日)

  YT氏も所属する「音響研究会」で、氏が導入されたDEQXによる音質改善効果を客観的に測定し、観察された貴重なレポートです。
  この度、その資料を提供していただきましたのでここにご紹介させていただきます。

  レポートを出された「音響研究会」は、静岡県の三島市、沼津市、函南町などを中心に、北海道や東京在住のオーディオ仲間も集まり、再生音と音響空間に関する調査・研究を行い、その成果を良質な音響空間が必要な場所に提供し、社会に貢献するというユニークな活動をされている会だそうです。

  是非ご覧下さい。