■ DEQXを導入され、ご了解頂いた方々のシステムと試聴リポートを掲載させて頂きました.
■ また、デモなどでDEQXの音を聴いて頂いた方々の感想をそのまま掲載させて頂きました.

 
  最新情報:2010年11月17日:大阪YU氏、その後のリポート

 大阪のYU氏からリポートをいただきました。

 日本での1号機導入までの経緯と、調整後の音の印象を述べられています。


 YU氏のシステム写真と最初のリポートはこちからです。

● HDP-Expressを導入した経緯と、その音について若干の感想を述べます。

・我が家のリスニングルームは元々オーディオルームなどと言えるものではなく、壁は右側がタイルでもう一方はCDやビデオの棚が天井まで目一杯覆っています。

・スピーカーシステムはカナダのDayton-Wright(デイトンライト)社製コンデンサースピーカーと、サブウーファにLINNのAV5150、ツィーターにはPyramidとTannoyを組み合わせて使っていました。

・コンデンサー型で背面にも音が出るD-W(Dayton-Wright)のスピーカーは設置場所の後方にもある程度の空間を必要としますが、実際にはすぐにLP棚があるなど理想とは程遠いのが現実で、全体としては物置のような部屋で音響的にも色々な問題を感じていました。

・解決策を模索していたところ、たまたまネットでDEQX社のPDC-2.6という製品を知り、中古がないかとクリズラボに問い合わせをしたところ、既に売れてしまってないとのことでした。

・しばらくするとPDC-2.6からプリアンプの機能を省いたHDP-Expressという製品が発売になったのでこれではどうだろうかとの報せを受け、早速注文しました。

・製品の到着と一緒に初回の設定に来て頂きましたが、この機種の日本での導入は私が第1号とのことでもありました。

● 改めて導入前の基本的な問題点を上げると、

1) D-Wにサブウーファを足し、更にツィーターを使っているので、本来はチャンネル・デバイダーが必要なのだが使っていないので帯域や微妙なレベル調整が出来ず全体のバランスが悪い。特にサブウーファとのバランスが難しい。

2) 音像が左に流れる感じがする。今までは漠然と聴いていたのだが、最近この「定位」が気になりはじめて、ケーブルなどのアクセサリーで調整を試みた。

● DEQXの導入まではこうした問題点を改善できる可能性のある機器を探してみました。

1) についてはオーディオ店の勧めで試聴に持参してくれた某社製のチャンデバとEQが可能な機器(確かPA用とか)は音が出たとたん、初期のCDのような薄っぺらな音になってしまい、全くダメでした。

2) については、Graphic EQなどを導入してみましたが全く解決しません。A社のDGも考えましたが、高価なことと、この部屋の有様や問題点に対して有効かどうかも分かりませんでした。

・こうした状況の中で、Kurizz-Laboの栗原氏に上記の問題点の改善と永年使用してきたD-Wの音を大事にしての改善はできないかとの希望を伝えました。

● HDP-EXPRESSを導入して、


1) チャンデバ機能が入ったことで各SPユニットの帯域調整やレベル調整が自在になり、しかも以前の機器のような薄っぺらな音にはなりませんでした。

2) 最初の調整だけで左へ音が流れる問題点がなくなり、中央に音が安定しました。

3) 栗原氏の懇切丁寧なサポートにより、マニュアルEQが使える様になり、音源によって好きなように細かく調整することができることも大きな進歩です。これによって、基本的な再生モードはリモコンでBypassと3つの指定した音の傾向が選べ、さらに曲やディスクによってEQを行っています。

4) D-Wとサブウーファのつながりには特に苦労してきましたが大変うまくつながりました。

5) これまでは耳で聴いて調整するしかありませんでしたが、DEQXで測定した結果をグラフで確認出来るので改善点を客観的に見ることが出来るようになりました。

6) 測定から調整と補正まで、基本的な部分は機器がやってくれますが、その中でやはり経験や知識が必要な部分がいくつかあり、初回を栗原氏が行ってくれたのは安心で有り難かった。

● 以上のように、長年の希望だったD-Wの音を損なわずに問題点が改善され大変喜んでいます。今後はDEQXの更なる使いこなしによる音質の向上を目指して頑張りたいと思います。

  大阪YU


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 <2010年11月11日:番外編大阪リポート>

 8月31日のリポートでご登場いただいた、大阪YU氏宅で昨日2度目の調整を行いました。

 この結果については近々、YU氏自身から感想が頂けると思いますので、その時にご紹介します。


 実は、このYU氏宅での調整を終えた後、同じ大阪在住のT氏(2008年5月にDEQX導入。リポート No.1のトップでご紹介)宅に伺いました。

 T氏宅には何度もお伺いして既にかなり良好な状態になっており特に調整の必要があるとは思っていませんでしたが、どういう訳か、「大阪に来るなら是非聴きに来い」としぶとく誘われていました。

 夕方6時過ぎにお伺いすると、「さぁ、センターポジションに座って、持ってきたCDを出しなさい」と言われます。えっ、まだお茶も飲んでないのに・・・・

 まずは、最近よく聴いているエデン・アトウッドの「ウェイヴズ~ザ・ボサノヴァ・セッション」を聴かせて貰いました。



 1曲目の「He's A Caioca:彼はカリオカ」。曲が始まった途端に思わず「えっ、これは・・・」

 このCDはかなり良質なサウンドのアルバムだとは思っていたのですが、「このCD、これほどまでに良かったかな」・・・と心の中で呟いていました。

 目をつぶって集中して聴いていると38秒後に出てくるボーカルがセンターにふわっと浮かび上がります。大きすぎず、小さすぎず、実に自然な口元です。

 1曲を聴き終えて「次はこれを!」と出したのがブルックナーのシンフォニーNo.4。Simone Young指揮、ハンブルク交響楽団のライブレコーディング盤です。



 冒頭1分40秒ほどの静かな導入部の音色がまず見事です。そしてそれに続く35秒ほどのテュッテ部分では、まずゴリゴリした質感もあるのに豊かで伸びがある低音部。そして、この低音に支えられた弦と木管、そして金管の炸裂した音が見事に解け合いながらも同時に一つ一つの楽器が見えるような質感で眼前に迫ってきます。

 JAZZ系もクラシック系もジャンルを選ばずに、強いて言えば良質な録音のソースを見事に鳴らし切っている感じです。

 えっ、T氏のシステム、こんなに良かったかしら・・・・????(誰が調整したの!!)

 「あれから何か変えましたか?」とお聞きすると、にやっと笑って、あれあれ、指さされました。

   

 しまった!。お茶を飲みながらシステムを眺めれば気が付いたと思うのですが、いきなりCDを掛けて、音が鳴った途端に目をつぶっていたので気が付きませんでした。

 確かにシステムは何も変わっていませんが、なんと、あのSylvan(シルヴァン)が2本、後方に鎮座していました。

 私が伺うまでT氏は一言もSylvanのことを話されませんでした。多分ご自身がその効果にびっくりされ、私にそれを黙って聴かせたいと思ったのでしょう。

 見事にやられました。Sylvan の効果は何度か体験してそれなりに理解していましたが、たった2個で低域から高域までがこれほど見事に変身するとは思いませんでした。

 氏が言われた言葉が印象的でした。「DEQXの調整で実はここまでの音が出ていたのですね。でも、今までは部屋の特性で隠されていた音が今やっと全部出てきたという感じがしています。」

 また、「DEQXのマニュアルEQでシンフォニー再生専用のカーブを作って貰い、しばらくはこれで楽しんでいましたが、今はこのEQの必要はなく、全てDEQXの標準調整状態でOKです。」とも仰っていました。

 Sylvanによる音場改善の効果がこれほど見事に出たのはT氏の部屋のシステム後方がコの字型の空間になっていて低音が溜まっていたのがうまく拡散されたとも考えられます。

   

 Sylvanを入れれば全てのお部屋でT氏宅と同じような結果が出るとは限りませんが、良質なスピーカーシステムと、それを理想的な特性にチューニングするDEQX、そしてSylvanを利用して良好な音響特性を実現したリスニングルームという3つが再生音の質に決定的な影響を与えることが今回の事からも改めて確認できました。

 この後、T氏馴染みの日本料理屋さんで夜が更けるまで楽しい話で盛り上がりました。

 Tさん、ありがとうございました。
 
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 <2010年10月13日:高知県KT氏からのリポート>

 遙々高知から軽井沢までDEQXを聴きに来られたのが9月9日。日本海側から上陸するという珍しい台風9号が去った翌日、台風一過の爽やかな日でした。

 8月14日に初めてメールを頂き、「Kurizz-Laboのホームページは全て読んだが、実際に音を聴くまでは信用できない。近々行くぞ!」とのお話・・・・

 嘘です、実際には「ホームページ、内容はなかなか理解できませんでしたが、楽しく、夢を感じながら、全ページ拝見いたしました。」というものでした。

 また、「高校生のころ、新聞配達でためたお金でJBLのLE-8Tを買い、ラックス38FDⅡの中古とセットで、FM放送を一生懸命聞いた時期もありました。友人とテープの貸し借りなどして、楽しかった思い出が浮かんできます。それ以来、30年の空白期間を経て現在に至ります。」とあります。

 そういえば私も50年前、・・・えっ、お前のことはどうでもいい・・・失礼しました。

 T氏は現在、B&W800DをPASSの600.5モノラルパワーアンプでドライブしているとのことでした。

 9月9日の試聴を終えた感想をメールで頂きました。

 
まるで、バタバタと台風のように来て去っていった2時間でしたが、本当にありがとうございました。

 私にとっては、この2時間がこれからの進路を大きく変える時間だったと感じています。

 どこに向かうのか、何を信じたらよいのか、今までは手探りのまま進もうとしていた私ですが、

 貴重なコンパス、いや、GPSを得たように思います。



 という嬉しいお便りを頂き、なんと、この数日後にはHDP-3のご注文を頂きました。

 10月7日にシルバーパネルのHDP-3を無事納品。

 そして翌日(8日)のメールで、「スピーカーの測定は終わったので、インパルス応答の調整(直接音の切り出し)方法について教えて欲しい」とのお尋ねがあり、あまりの進展の早さにびっくり。

 そしてその3時間後にはクロスオーバー設定の疑問点について問い合わせが・・・・

 翌日
、10月9日の夜8時に頂いたメールにはいささか驚きました・・・・・

 そういえばT氏は「龍馬伝」の高知でした。

 
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 「時代の夜明けぜよ~」

 
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 こんばんは。

 ついつい、叫んでしまいたい気持ちです。

 
いま、聴いています。

 しらないうちにいつもよりボリュームを上げています。

 ルーム補正まで実施したポジションの聞きやすさは栗原さんのシステムで体感しましたが、

 今、自宅でそれが再現されています。

 耳が悲鳴を上げません。


 
今夜はこのまま聴き入ってしまいそう・・・いや、明日も明後日も・・・。

 昨夜のポイント説明で調整は一気にスピードに乗りました。

 でも、まだまだほんの入り口ですね。マニュアルのほんの五分の一ですから。

 これから長ーーーく、楽しめるということですね。

 とにかく、早くお知らせしたい一心でメールしています。

 課題とか質問とかは後日ということで、とにかく今夜は楽しみます。

 本当にありがとうございました。

 高知のTより


 10月の7日に納品させていただき、これが9日のレポート!。

 これって明らかにスピード違反です。

 そして、さらに上のメールの2時間後、

 
 今も聞き入っております。

 先月おじゃまして、今日で1ヶ月です。

 軽井沢で聴かせ頂いた時には、自宅がこのように変化するとは思いもしませんでした。

 本当に導入して良かったです

 マルチじゃなくてもバイワイヤー対応のスピーカーを持っている皆様には

 是非バイアンプ方式でドライブして、その音を体験して欲しいと思います。

 明日は、頂いたコーヒーの最後の一握りですが、祝杯をあげたいと思います。

 今までもおいしく頂いてきましたが、特に明日は格別だと思います。

 では、おやすみなさい。

 私はまだまだ寝れそうにありません・・・・・・・

 高知のTより



 そして、3日後、無理を言って写真を送っていただきました。

 

 B&W 800Dの後ろにある大型の3Wayスピーカーシステムはごく最近手に入れられたとのこと。

 800D用のDEQXチューニングが落ち着いたら46㎝ウーファのフルガウスシステムに挑戦!!!!

 写真のシステム構成は

  ・SPシステム  ----- B&W 800D
  ・SPシステム  ----- ウーファ  :ガウス 8842
          ----- ドライバー:ガウス HF4000
           ----- ツィーター:ガウス 1502

  ・パワーアンプ ----- PASS 600.5(B&W 低域)
          ----- Accuphase A45(B&W 高域)

  ・プリアンプ  ----- VIOLA Cadenza(この度、めでたく引退)

  ・ケーブル   ----- 割に高価なものを少々

 とのことでした。

 そして、写真と一緒に頂いたメールには

 写真はスレート鉄骨倉庫の2階を改造したオーディオ部屋です。

 「後ろのスピーカーは何?こんなん聞いてないヨ」と、お思いになるかもしれませんね。

 実は、軽井沢から帰って、オークションで見つけていたものを思い切って購入しました。

 この世界に身を投じる決意といいますか、

 体にウエイトを巻きつけてやっとサザエやアワビのいる海底にたどり着ける。といいますか、

 衝動買いともいいますが・・・上から下までガウスです。ついに買ってしまいました。

 これからの課題はこちらを制覇?するつもりでいきます。


 ただ、今のところはあまりにもB&Wの良さに酔って次のステップに進む気がおきません。

 部屋全体に広がる空気感は、今まで何を聞いていたんだろう・・・と思うほどです。

 なんともいえない豊かさを感じます。

 広がり、奥行きともシングル・アンプとは比べ物になりません。

 でも、ガウスにも行きます。マニュアルはまだ1/5です。未知の世界が山ほどありますから。


 ケーブルやアクセサリーに追いかけられ、振り回され、すぐに行き詰るであろう

 今後のオーディオ人生よりも、コンパスとテスターを手に入れて、客観的に判断できる

 手段を持てた事は本当に幸運だと思いました。


 パソコンは基本的に苦手な私ですが「八王子S氏作成の実践マニュアル」が頼りでした。

 後は、栗原さんのアドバイスで勢いに乗り、ついつい走ってしまいました。

 それでも、壁に突き当たり、引き返し、また、突き当たりの繰り返しでしたが、おかげで、

 いろいろな場面での操作や、様々な画面の移り変わりなどは一通り覚えました。

 「習うより慣れろ」実にそのままでした。

 今、思い出すと一番途方に暮れたのは最初の日に電源が入らなくて困った事です。

 結果は単にリアパネルのスイッチが200Vになっていただけでした。


 軽井沢におじゃまして以降、私のオーディオ環境が大きく変わりましたが、

 これからも多くの刺激を受けながらどんどん進んでいきたいと思います。

 そして、DEQX先駆者の皆様に少しでも近づくよう、でも、あまりがんばり過ぎずに

 走りすぎずに、長く、長く、楽しんでいきたいと思います。

 ありがとうございました。

 高知のTより


 本当に短時間に、そしてたった3回のメールのやり取りだけで・・・・

 そういえば我が家に来られたとき、印刷したDEQXのマニュアル(200ページ)をお持ちでしたね。
   そうわざわざ高知から重たいものを・・・・私としては凄まじい意気込みを感じましたが。

 DEQXの秘伝の技の一端を早くも開花させていただいたT氏に感謝です。


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<2010年9月29日:福岡KS氏のリポート>

福岡のS氏宅がHDP-3を採用され、その感想の第一報が届きました。

S氏宅にHDP-3をお送りしたのは4週間ほど前の9月3日でした。

お仕事が大変忙しいとのことで、9月の17日に導入後初めてのメールを頂き、マイクのインストールについてのお尋ねがありました。

そして、下の図はこの時に頂いたメールの文章を元に想像して書いたS氏のシステムです。
   

そして、一昨日、実際の測定に着手され、その結果についての感想を今夜頂きましたので、そのまま掲載させていただきます。

 
 おはようございます。


 昨夜もう一度試してみたところ、マイクも正常に作動し測定することができました。

 とりあえずSP本来のクロスオーバーで設定し、ルーム補正まで終了しました。

 一聴して全く別物のシステムになったことが判ります。

 今まで聴こえてこなかった木管の2ndやビオラの音が明瞭になり、又、低弦の唸りと広がりに圧倒

 されました。

 SP本来の音を引き出したいと思いDEQXを導入致しましたが大正解でした。

 昨夜はATCに惚れ直しました。

 もちろんまだまだ聴感上のバランスなどを改善していかなければなりませんが、この先が楽しみです。



S氏にお伺いすると、マイクを使った音響測定は初めてで、PCの扱いも苦手とのこと。

初めての測定、調整、設定でこの感想を頂くと、販売した私としても感激の一言です。

DEQXがあなたの再生装置から無限の可能性を引き出します。

S氏の御陰でホームページにこのキャッチフレーズを付けて良かった、と改めて感じました。

<2010年8月31日>

大阪在住のYU氏宅に最新型のHDP-Expressが導入されました。日本での第一号機です。

氏のシステムは、カナダのDayton Wright (デイトンライト)社製 XG10 というコンデンサー型スピーカーを中心に、LINNのサブウーファとPyramid(ピラミッド)のリボン型ツィーター(Model T-1H)、それにTANNOYのスーパーツィーター(ST-200)を14kHzのクロスでパラに接続されています。

写真でもお分かりのとおり、氏は多くの名器を所有されていますが、DEQXの導入に当たってはとりあえずシステム図(←クリック)の組み合わせでセットし、メインスピーカーであるXG10のツィーターはOFFにしてピラミッド(+TANNOY)に高域再生を任せました。

DEQXの調整に慣れたらXG10のツィーターを活かしたシステムにもチャレンジされるとのことでした。

   


<YU氏宅のスピーカーシステム>

背面の棚にはワーグナーの曲を中心に膨大なレコードコレクションが!
 
  

<隣室にセットされたオーディオ機器>

40年ほど前から本格的に取り組まれたとのことで、
スピーカーシステムやオーディオ機器は
いずれも一家言ある由緒正しい名器揃い。

AccuphaseのグラフィックEQは最近入手されたとのことですが、
音だけを頼りに調整するのはかなり困難とのことで
今回のDEQX導入となりました。
 


<再生システムのメインとなるプリとDEQX>

AR(Acoustic Reserch)の記念碑的モデルである
プリアンプのAR Limited Model 2(最下段)と、
EQアンプのAR Limited Model 6(真ん中)
そして、DEQX社の最新型プロセッサーHDP-Express(最上段)
YU氏は1970年代からドイツのバイロイトにワーグナーを聴きに行ったという熱烈なファンで、5年ほど前までは、RINGの新演出毎にドイツに出掛けていたとのことです。

今回のDEQX導入に当たっては「バイロイト祝祭劇場の音」が出ると嬉しい。とのお話がありました。

実際にYU氏宅にお伺いすると、写真には一部しか写っていませんがワーグナーの作品を中心に、膨大な数のアナログディスクとCDを所蔵されていました。

私としては、ディスクにバイロイトの音が収録されていれば、正しくチューニングされた再生システムならバイロイトの音が出る(再現される)はずであると思っているのですが、実際のディスクにその音が入っているものは極めて少ないのも現実だと思います。

そこで、舞台下にオーケストラを配置した独特の構造を持つ祝祭劇場の音を観客席で聴いた時のイメージサウンドをDEQXのEQで再現できるポジションを用意することにしました。

考えてみればYU氏がARのEQアンプやAccuphaseのグラフィックEQをシステムに装備されたのも、ご自身が実際に祝祭劇場の客席で聴いたバイロイトサウンドを自宅のオーディオシステムからも聴きたかったからに他ならないと思います。

DEQXの基本機能である4種類のサウンドをプリセットできる機能を使って、その中の一つに「バイロイトサウンド」を仕込むことにしました。

スピーカーシステムを測定し、その結果の補正データをDEQXに組み込みます。その状態で測定信号を出して室内の特性を測定し、定在波を除去すると標準的なセットが完了です。後は今回のようにプログラムソースのイメージをより効果的に出すための音色をセットします。

その一つに私のイメージするバイロイトサウンドを仕込みました。果たしてYU氏のイメージと同質のものかどうか不安もありましたが、結果は大成功。でも、しばらくすると、「素晴らしいけど、高域の太さがもう少し出ると最高」というお話がありました。

改めてリスニングエリアでの測定結果(音響特性)を見ると、2kHzを中心に最大6dB程度の緩やかなピークがあります。スピーカーシステムは補正済みですので部屋の影響で生じているものと思われます。2kHzという周波数は人間の耳に一番敏感な音域なので、ある程度の帯域幅を持つピークやディップの場合、例え0.5dBの差でも音質は全く異なったものとなります。

このピークをDEQXのフェイズリニアーなマニュアルEQを使って取り去るとYU氏にとってのバイロイトサウンドが完成しました。

翌日頂いたメールには氏とご一緒にバイロイトを堪能されててきている最も客観的な評価者である奥様が、誰に問われたたわけでもなく、「すっきりした良い音になりましたね」と言われたそうです。私にとっては最高の評価だと思っています。

YU氏は私より一回り以上も上の方ですが、Macはもちろん、Mac-OS上で動作するWindows XPを自在に使いこなし、DEQXの調整ソフトもサクサクと操作されていました。
(このレポートをアップしたところ、ご本人様より文章の間違えを指摘されました。「サクサク」ではなく、「どうにか、こうにか」が正しい!。とのことです。とりあえず追加・訂正をさせていただきます。)

今回はYU氏にとってはじめてのDEQXであったため、従来のシステムをほぼそのまま使用しましたが、大きな成果を得た今、既にDayton Wrightのツィーターを活かしたらどうなるのか・・・と、夢を膨らませているご様子でした。

後日談があればまたご紹介したいと思います。 →→ 後日談はこちらにあります。(11月17日)

 
<2010年4月2日> 福井HNさんのシステム紹介


日本では初めてとなるブラックパネルのHDP-3を
導入された福井のHN氏
TADユニットの大型スピーカーシステムは自作
アンプはバッテリードライブの自作金田式

 HN氏からメールを頂いたのが3月1日。
 DEQXについての厳しいご質問を頂き、何度かメールでのやりとりをさせていただきました。
 そして、一週間後の3月8日にはご注文を頂き、早速DEQX社にオーダー。
 3月18日には日本で始めてとなるブラックパネルのHDP-3が届きました。
 3月20日から今日(4月2日)まではお忙しい合間をぬって10年前に製作したパワーアンプの調整、DEQXでの測定と設定などをされて、今日に至っていますが、まだパワーアンプが片チャンネルしか整備されていないとのことで、本格的な試聴結果は今後になると思いますが、パワーアンプやスピーカーシステムを自作され、これをDEQXでまとめるという方法はDEQXの最も効果的な使い方だと思います。

 DEQXでの測定・調整はご自身でなされるとのことですが、システムアップが完了した頃にお伺いして是非システムの音を聴かせて頂こうと思っています。

<2009年11月28日> 墨田区TSさんからの感想文

 11月21日(土)に東京から軽井沢までDEQXを聴きに来られたTS氏からの試聴レポートが届きましたので掲載させていただきます。

 TS氏は20年前からTADのユニットを使用したシステムで、特有の中域のクセはネットワークで補正して楽しまれているとのことです。
 聴くジャンルはロックやポップスをスタジオで録音した明快かつクリヤーなサウンドのものがお好きだそうです。
 
 当日は女性ボーカルものを中心に、ドナルド・フェイゲンやスティーリー・ダンなどのこれぞスタジオ録音という名盤CDばかりを30枚ほど持参されて熱心に聴いて帰られました。

 試聴された翌日から4回にわたる感想文を頂きましたので、ここではそのままの文章を掲載させていただきました。


 昨日はお邪魔いたしました。そして、長々とお時間を取っていただき、本当にありがとうございました。

 お陰様で、長い間いろいろ疑問に思っていた部分が、やはりそうだったのかという確信に変わり、すっきりしました。
 趣味のオーディオではありますが、対する思いについて本音でお話しをできる相手も居なかったというのが現実ですが、これは価値観が違うので仕方がないと思っていました。でも、今回、栗原さんも非常に個性的であることを改めて知り、私と大いなる共通項があると感じました。

 そして、オーディオに関しての栗原さんの「掟破り」の「そんなの関係無い」派、の亜流として、昨日、自分自身が確信した事を実行することにしました。つまり、「無理なこじつけや、思い込みを止め、見た目がカッコ良ければ総て良し」派でいきたいと思います。もちろん、栗原さん同様にツボをおさえる事が大前提ですが。と言う事でコレからそれに向かって進んで行きますので、今回に懲りずに助言並びにチカラを貸して下さい。

 その翌日・・・・・

 DEQXの試聴について、昨日は、試聴時に大きめのリアクションをしなかったこと、そして先ほどのメールで十分な感想をお伝えしなかったのは、真鍮棒でマスを抱かせた密閉式ウーファボックス、マルチアンプドライブ、 中域ホーンの広帯域再生、DEQXの補正等、初めてそのサウンドを聴きましたが、私が前からの栗原さんのホームページを全て読んでいた私には、想像していた通り、期待していた通りのサウンドであり、ある意味で私の考えるパーフェクトな音だったのであえて大騒ぎをしませんでした。
 ということを伝えないと試聴レポートの意味なかったですね!。改めてお伝えします。

 翌々日・・・・

 2日間が経って、改めて試聴時のことを考えみると、試聴中に何のリアクションもしなかった理由は、多分、栗原さんのところに音を聞きに来た人からは「素晴らしい」とか「良い音」とかの評価は既にたくさん聞いている思います。でも、このユニットを20年間使ってきたユーザーとしての本音の感想を一言で言えば、「まったく静か!」であり、そして「凄みが有り!」、「どこにも癖がないのに音に勢いがある」、J○Lの2連発Wウーファを使ってる人にはこの精緻な感じは絶対にわからないだろうなあ!、と思います。
 見せかけだけのケンカ強い感じではなく、「静かな合気道の達人」と言う感じで、意地悪なディスクの低音も一切の遅れ感がなく、ロックのファズで歪ませたギターも全くホーン臭くありませんでした。(ちょっと評論家風の感想になりました。)

 このユニットを使っていない人には、ちょっとだけ聴くと、おとなしく、静かで地味、キレイな音だな、程度にしか 感じないのかもしれませんが、これくらいの音を出して初めて、電源プラグはロジウムメッキ、ケーブルは銀線、と、アクセサリーをイジルためのスタートラインに立てるのかもしれませんね!そしたら違いが 判るかも?

 コネクタのロジュームメッキと金メッキの違いを最大の問題のように論じている人のシステムよりも、250リットル+真鍮棒の密閉箱から出る低音はどんなにパワーを入れても全く崩れないその凄いサウンド!。今、思い出しても本当に貴重な体験でした。
 帰宅してから自分のバスレフボックスのウーファを聴き直してみましたが「ショック」の一言です。当分立ち直れそうにありません。
 試聴時にもこれは感じていたのですが、事前に頭の中で、想像していたとおりだったので、その場でのショックは少なかったのですが、今になって、改めてショックを受けています。

 いゃー、今回は本当に凄い物を聴かせいただきました。こうなったら、既にユニットは2組分もあるので、一日も早く、密閉ボックス+デッドマス+DEQXでマルチ、のユーザーになるよう頑張ります。



 という嬉しい感想を頂きました。SFさんありがとうございました。そして、頑張って希望を叶えて下さい。
 Kurizz-Laboは出来る限りのお手伝いをさせていただきます。

<2009年11月19日>

 東京のT氏が同軸型の2Wayドライバーを導入されたので聴きに行ってきました。

 以前、T氏から、面白いドライバーを借りたので聴いてみませんかという事で、我が家に送っていただきました。
 但し、この時は1個だったので2Wayドライバーによる定位感などが確認できませんでしたが、とりあえず我が家のTH-4001ホーンに取り付けて測定と試聴をしました。
 その結果、低域はカタログ通り300Hz程度から使えるタフネスぶりと、我が家のTD-4001+THー4001ではどうしても重くなりがちな10kHz異常の高域がとても爽やかな印象を持ち、その旨をT氏にお伝えしたところ、今回、このドラバーを2個調達され、1ヶ月ほどのエージングを経ての今回の試聴となりました。


               

 氏のスピーカーシステムはWoodWill製のボックスとホーンにJBLのユニットが使用されていましたが、その中域のドライバーをBMSの4594NDという2Wayドライバーに変更されました。
 ホーンとウーファボックスの間にツィーター用の木製ホーンが見えますが、今回はこれは使用していません。

             

 これが2Wayドライバーです。以前お借りした時には1.5インチのスロートでしたが、今回は2インチのものを購入されたとのことでで、ホーンとのつながりは一段と良くなっていました。


             

 改めてT氏がこの日にDEQXでシステムの調整をされ、早速聴かせていただきました。
 中低域のクロスは氏の希望通りの300Hzに設定されていましたが、この成果はボーカルなどに顕著に現れ、女性や男性ボーカルの低域成分が重くならずに、均質なトーンが気持ちよいサウンドを奏でてくれました。
 弦楽合奏のバイオリンなども、高域の絹づれ感やフェザーのような滑らさと切れ込みの良さが同居した爽やかな音でした。
 そして言うまでもなく、2Wayドライバーの魅力そのものとも言える音のつながりと定位感の良さは絶品です。
 これだけのユニットが意外な価格で手に入るとのことですので、いよいよスピーカーシステムの自作、あるいは自らの設計でプロが手作りしたボックスなどを使用して、超高音質なサウンドを手頃な価格で手に入れることが出来る時代になったのかもしれません。
 この製品については、近いうちにT氏のレポートがオーディオ誌に登場すると思いますのでそちらもご覧下さい。

 T氏にはお忙しい中、長時間の試聴をさせていただき、ありがとうございました。


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