・昨日、東京都内にお住まいのS氏宅にDEQXとSPシステムをお納めしました。
・下の写真は、「今までで最高の音です!」と喜んで頂いたS氏とシステムです。
(S氏についてはホームページをご覧下さい)
・10年間のニューヨーク生活で、最良の音を求めて様々なシステムを聴きまくっ
たS氏が、今回のシステムから音が出た瞬間「今までで最高の音です!」
と言って戴きました。私にとっても喜びの瞬間でした。
●システムの設置・導入
・今年の6月末に氏が経営するジャズバーにDEQXをかついで行きました。
お店の3WayシステムにDEQXを入れて音を出すとその場でDEQX買います。
と言われました。
・そして、もう一箇所オーディオシステムがあります。との事で別のお店に伺うと
自作のBOXに収まったALTECの604-16Gがありました。
(↓写真の白いBOX)
・聴かせて戴くと、BOXがユニットの性能に追いついていない感じがしました。
そこで、Kurizz-Labo得意の密閉型BOXをお薦めしました。
・8月中旬、「あのBOX、作ってくれますか」とのお話しが飛び込みました。
・さぁ、大変。言ってしまったものの、604-16G用の密閉箱・・・
必要な容積を計算すると、なんと400リットルと出ました。
・図面をお送りするとその大きさにびっくりされ、もう少し小さく、とのこと。
・ちなみに第一案のサイズは、幅700㎜、奥行き550㎜、高さ1,500㎜でした。
・そこで高さを20㎝低くして内容積340リットルの図面をお送りするとこれで
お願いします。とのご返事でした。
・早速正式な図面を作り、馴染みの木工所と鉄工所に送って製作を依頼。9月末
には出来上がるとの事で、昨日、無事に納品・組立を終えることが出来ました。
・木工所から直接オーナー様のところに送って貰ったため、私がこの完成BOXを
見たのはこの日が初めて。感動の対面でしたが、一目見て「デカイ」と、思わ
ず言ってしまいました。これが高さ1,500㎜だったら・・・・(汗)
・38㎝の大型ウーファと、高域ドライバーの搭載で奥行きも巨大なALTECの
604-16Gユニットが小さく見えることからもこのBOXの大きさが判ります。
・オーナー様に手伝って戴きながらBOXにユニットを取り付けます。
・ユニットを固定するボルトは巨大な真鍮棒のナットで受ける構造です。
・1本が2.5kgもある真鍮棒を8本使用。合計20kgの超重量級ナットを通じて、
前後のバッフルにユニットを固定することになります。
・BOXが130kg、ユニットが12kg、真鍮棒が20kg、合計160kg以上の重量が
振動板の動作支点を明確にし、ユニットや箱の振動を強力に制振します。
・完全密閉構造の強固なBOXにスピーカーユニットを真鍮棒でダイレクトに固定
する“KZ式SPシステム”は今回で4作目。その威力はまさに想像以上です。
・“KZ式SPシステム”の特長は、プログラムソースに忠実で切れの良い澄んだ
低域がまず音楽のリアリティを描き出し、その上にDEQXで周波数や位相特性
群遅延特性がコントロールされた精緻な中高域が音楽の心を解き放ちます。
・また、今回も実感した事ですが、例えば、ALTECの604というSPユニットが
持つ固有の特性(個性:音質の傾向)は、そのまま現れると言うことです。
・コーン型、ドーム型、ホーン型、リボン型、コンデンサー型などの構造の違い、
ユニットの設計や構造が作り出す音の放射パターン(指向特性)や駆動/制動力、
そして、指向特性がもたらす音響エネルギーの周波数分布などはDEQXで補正
した後でもユニットの個性として残ります。
・個性を活かし、欠点をカバーし、ユニットの基本性能を極限まで引き出すのが
DEQXだということを今回のシステムでは特に実感することになりました。
・合計20kgの真鍮棒がユニットをダイレクトに受け止め、振動板の反作用をリア
バッフルに直接伝える事でBOX全体の振動をキャンセリングする巧みな方法です。
・ちなみに、今回使用した木材(合板)はフィンランドバーチよりも緻密な構造
を持ち、1,300㎜のサイズで縦方向の木目が使えることなどから、前作に続い
てロシアンバーチを採用しました。
●再生システム
・再生システムの構成は写真のように中央下にCDプレーヤー、その上にDEQXの
PDC-2.6P、その左右がALLIONのパワーアンプ S-200です。
・パワーアンプは1台のL/RchでLowとHighを受け持つ左右分離型としました。
・午前中でスピーカーシステムの組立を完了。ビルの1階にあるカレー屋さんで
美味しいカレーを戴き、隣のビルの珈琲豆屋さんで美味しいコーヒーを買って
いざ、DEQX調整へ。
・今回、DEQXの調整はS氏にパソコンの操作を全てお願いしました。
・測定マイクを設置してスピーカーシステムを測定し、クロスオーバーを決めて
補正フィルターのデータを生成します。このデータを使ってパソコン画面上で
DEQXの内部構成(配線)を決定し、結果をDEQXに送ると音が出ます。
・この段階で音を出してDEQXの動作を確認。うん!、良いな。さすがALTEC!
というのが第一印象でした。
・続けて補正済のスピーカーシステムから測定信号を出して行うルーム測定を実施。
この結果を元に定在波の補正(自動)を行えばDEQXの調整は完了です。
・早速手持ちの試聴用CDから何曲かを再生してみました。・・・・凄い!。豪快
で緻密、604-16Gがその持てる力を存分に発揮して実に朗々と唄っています。
・S氏に「どうぞ聞き慣れたCDを聴いて下さい」とお願いすると早速数枚のCDを
選ばれました。ジャズ、ボーカル、ロック・・・・・・・笑みがこぼれました。
結果はこのページの最初に記載してある通りです。
・今回のスピーカーシステムの組立に際し、S氏には多大なご協力を戴きました。
そして、DEQXの調整は私が隣でサポートはしましたが、基本的にはS氏が全て
実行していただきました。
・ご本人曰く、こうした作業は好きなので、これを機会にDEQXをマスターして
いろいろ試して見たい。とのことでした。
・本当にありがとうございました。
(近日中に氏の率直な感想を頂きたいと思っています。)
★追伸(おまけ情報)とお願い
実は、今回大きな発見がありました。S氏のノートPCにDEQXの調整ソフト
をインストール。DEQXとUSBで接続すると問題なくDEQXを認識します。
順調に作業が進む中でふと画面の様子がいつもと違うのに気が付きました。
「もしかするとこのPCはWindows XPじゃないのですか?」とお聞きすると、
「ハイ、Windows Vista です。」とVistaマークを指さされました。
私は一瞬、絶句しました。今の今までVistaでは動かないと思っていたのです。
自分ではVistaでの動作テストが出来ない中、「Vistaでは動きませんでした。」
というお話しを伺い、やはりダメなのかとあきらめていました。
もちろん、現時点でDEQX社からの公式なアナウンスもありません。
S氏のVistaがどのようなVersionなのか、また、機種依存があるのかどうかも
判りませんので「DEQXソフトがVistaでも動きます」という保証はありません。
でも、今回の場合は調整ソフトとして最後まできちんと動作しましたので、全く
使えないということでもなさそうです。
DEQXユーザー様でVistaを搭載したPCをお持ちの方がいらっしゃいましたら
DEQXソフトの動作テストと、その結果などをお知らせ頂ければ幸いです。
結果をお寄せ頂いた方の中から抽選でDEQXを一台・・・・(笑)
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